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──
｢……｣
鼻の奥が締め付けられ、泣きたくなるのは久しぶりの気がする。
眼を細めれば、ぽろぽろと面白いぐらいに涙が流れていった。
未だに理由を絞り出せないわたしは、彼に背中をさすられていた。
それだけでも、もっと泣きたくなる衝動に駆られる。
誰かの手に似ていて、凄く幼少期に戻った気がするのだ。
それが誰だったのかを思い出すように、彼の背中に手を回して力を込めた。
「落ち着きましたか？」
「……うん」
「風邪を引いた時は涙腺が弱くなりますからね、」
にこりと困った様に実井は笑うと、今度は頭を撫でる。
それだけで何かが襲ってくるような感覚にとらわれ、わたしは早急に彼の腕からすり抜けた。
「もういいんですか？」
「うん、ありがと……」
名残惜しそうに、延びた手が目元に触れた。
冷たい指の腹で目を拭うと、それ以上は触らなかった。
もうあと少しで午前四時になる。
もう寝ないと、朝が来る。
ドアの側まで行き、振り返りおやすみなさい。と伝えると、彼もわたしに倣って模範的な言葉を口にした。
──
終わり
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結花(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そういってくださるなんてとても嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月11日 23時) (
レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
そら - お話とっても面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2016年5月9日 22時) (レス) id: bddda4b7cc (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - かみつれさん» コメントありがとうございます！！ 面白いだなんて凄く嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月3日 19時) (レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - 更新楽しみにしています！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - とても、面白いです！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結花 | 作成日時：2016年4月22日 0時
