【チェンソーマン】備忘録【反応集】 (ページ42)

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【詳細】雨＊デンジ_1 ページ42

30話より

***

やっっべ〜〜……

ザァザァと盛大に雨が降りしきる中、傘の無い俺たちに出来ることはただ一つ。軒下のベンチでアキの迎えを待つことだけだった。

ところがどっこい、その頼みの綱をついさっきの俺はバッサリ切り捨ててしまったのである。

流石にやっちまった感の否めない空気が流れ出し、アキの姿が見えなくなってもどうすべきか分からず暫くAを抱きしめたままでいた。

『…離して』

「お、おう」

当然良い雰囲気になどなるはずもなく、俯いたまま俺から距離を取るAの声は低く冷たい。

怒ってる…？いや怒ってるかそりゃ。

アキに変なトコ見られたし傘は無いしすげー雨降ってるし

しかも見えてるし。下着が。

って何一つ解決してねーじゃん！！！！！！

俺がやっとこの絶望的な状況を把握した頃、Aはゆっくりと口を開いた。

『さっき、なんであんなことしたの』

「へっ？」

『だからなんで急に……抱きしめたり、したの』

「えーとほら、それアキに見られたらマズいかなって」

思い出したように胸元を指さし、この事態の元凶を伝える。

『……えっ、あ！？』

先ほどまでの冷静な口ぶりとは打って変わって、上ずった声で慌て始めたA。

その顔は一気に赤くなったり青くなったりを繰り返したのち、キッとこちらに鋭い視線を向けた。

『っていうかこれ隠すにしてももっと他に方法あったと思うんだけど！』

「ねーよ！！服貸そうたって俺もシャツ一枚だし！」

『いいからそれ脱いで貸して！！』

「はあ！？おい、やめ…」

ん……？？？？

Aが俺にのしかかって、俺の服を無理やり脱がそうとしてるこの感じ

なんか

なんか……

アレ、じゃね……？

『…どうしたの急に固まって』

「エッッ！！！！いや、何も」

落ち着け俺。ここは外だ。いや外でなくとも流石にこの思考が相当ヤバいことくらいは分かる。

けどさっきから濡れた髪とか肌に張り付いたシャツとか、そこから覗く水色のレースなんかが視界に入ってきて頭が働かない。

いや俺の頭なんて元々働いてないようなもんか。
逆に冴えてキャパオーバーしてるのかもしれない。やっぱ過重労働は良くないと思う。

一人焦る俺をよそに、Aは火照った顔で俺のシャツに手をかけて＿＿

「あっ、デンジ君とAちゃんだ〜！」

俺のなけなしの脳みそが完全に溶けかけた瞬間、陽気な声が雨音を遮った。

「いやこのタイミングで！？！？」