【チェンソーマン】備忘録【反応集】 (ページ41)

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『ち、近すぎじゃない？』

「女同士だし良いじゃん」

『女同士でもこんなことしないよ普通』

「へぇ、俺女じゃないし分かんねえ」

てのひらを返すのが早すぎる。

つくづく調子の良い人だ。今に始まったことではないけれど。

ここが人気の無い路地裏だったのは幸か不幸か……いや、彼なら公衆の面前でもやりかねない。

周囲に誰もいないのは不幸中の幸いである。

「っつーか、さっきから胸キツいしボタン外して良いかな」

『いっ！？！？！？や、良くないでしょ』

「でも今ここ俺とアンタしかいないよ」

『私がいるならアウトでしょって！！』

前言撤回。今すぐ誰か助けに来てほしい。

彼女は私の腕を片手で掴んだまま、もう片方の手で器用に自分のシャツのボタンを一つ、また一つと外していく。

その間も真っ黒な瞳は私を捉えて離さない。

白いシャツの下からさらに一段と白く柔らかそうな肌があらわになった。

ま、まずい。色々とまずい。

脳内で大音量のアラートが鳴り響いた。

こんなに可愛くて良い匂いのする女の子相手に抵抗すら出来ない自分が情けない。

もう駄目だ。絶体絶命。背水の陣。もしくは前門の虎、後門の＿＿

後門の……？

その瞬間、すぐ後ろに蠢く気配を感じた。

『っ悪魔！！！！』

《ァ"…》

「"蛸"」

私が叫んだのと悪魔が呻いたのと吉田君が蛸を呼んだのはほぼ同時だった。

腕を掴まれたまま動けなかった私の頭上を大きな蛸足がぬるりと通り、悪魔の体に絡みつく。

背後でグチャリと汚い音がした。
悪魔ご臨終の合図である。

「お。戻った」

そして彼の姿も元通り。

『……よっ、良かったぁ』

あらゆる緊張から開放され気が抜けたのか、思わず彼の体に寄りかかってしまう。

それがいけなかった。

「その気になった？じゃ続きしよっか」

『いや違うよ！？しない！しないから！！離して！！！』

やっぱり決めた。いつか絶対顔面グーで殴ってやる。

***