【チェンソーマン】備忘録【反応集】 (ページ39)

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【詳細】性転換＊吉田ヒロフミ_1 ページ39

12話より

***

『吉田君！悪魔そっち行った！！』

「分かってる」

細い路地に逃げ込んだ悪魔。そのビジュアルは赤と青のコントラストが目に痛い。
正直言ってダサい。

もうちょっとどうにかならなかったのかな。
みんな天使君を見習うべきだと思う。

いや悪魔のビジュアルに文句を付けてもどうにもならないんだけど……

などと余計なことを考えていたせいか、気が付いたときには悪魔と吉田君の背中を見失ってしまっていた。

しかしここで焦る必要はない。彼なら一人でもきっと大丈夫だろう。私が追いつく頃にはあのダサい悪魔もお陀仏だ。

と次の瞬間、一つ向こうの角に大きな砂埃がたったのが見えた。

きっと蛸を呼んだんだ。ってことはもう終わりかな。

仕事が一段落したことに安堵し、大きく息を吐く。

走る速度を抑えて呼吸を整えつつ、砂塵の舞うそこへ声をかけた。

『ごめん、途中で見失っ……て…』

「おそすぎ」

そこにはポケットに手を突っ込みながら余計な一言を放つ吉田ヒロフミがいる

はずだった。

『……誰？？？？？』

私の想像を鮮やかに裏切り、そこに佇んでいたのは漆黒の長髪を靡かせる妖艶な少女。

深淵のように暗い瞳は長い睫毛に縁取られ、艶のある口元は柔らかく弧を描いている。

こんなことを言うと大袈裟だと思われるかもしれないが、私は未だかつてこれほどの美少女を見たことがない。

…見たことがないはずなのに、何故かひしひしと感じる既視感。

嫌な予感が脳裏を駆け巡り、額からは一筋の汗が垂れてきて気持ち悪い。

彼女はかったるそうに片手をポケットに突っ込むと、もう片方の指で自らの髪の毛をクルクルと弄びながら口を開いた。

「忘れた？アンタの彼氏……じゃなくて、今は彼女か」

『いやなんで！？！？なんで急に吉田君が吉田ちゃんになってるの！！！』

「さっきの奴、性別の悪魔だろ。蛸で絞める前に能力使われて逃げられた」

…………嘘だ。