漆黒 ページ5
私の名は太宰。太宰治。
今日も今日とて国木田君と仕事をしに外に出ていたら、
……いい川を見つけた！
「国木田君！ちょっと入水してくる！」
「あ！？おい！待て！太宰ぃぃッ！！」
お……いいね。
いい冷たさだ。
今日は死＿ねるかもしれないね
もう……意識が……。
これで……死＿ねるといいな。
……そんな淡い希望を持ちながら目を瞑る
……
パチッ
「うわっ！」
あぁ、また……また死＿ねなかった
よい……しょ
ん……？
目の前に白髪の少年……また邪魔されたのか
「ちぇっ」
「ちぇっ！？」
まったく……
「君かい？私の入水を邪魔したのは」
「邪魔なんて……僕はただ、助けようと」
ん？後ろに……なんと！
「睡蓮の如く美しい……どうか私と…心中してくれませんか！」
目を合わせる……？目に光がない……
「青年……私なんて誘わない方が誘わん方がええで」
「？……」
……目が……光がない作り物みたいに……真黒だ
「私なんかよりええ女の子は沢山いんで」
……漆黒だ。彼女の目はまるで光をうつしていない。
すると彼女は諦めが混じえながら儚げに笑った。
その顔はとても悲しく。そして美しくも見えた
「……」
……彼女は何者なんだ＿＿＿＿＿
続く
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作者名：舞露 Maro. | 作成日時：2018年7月30日 19時
