逢 ページ3
「あの人、あの人は」
カランカランと鳴らしながらうちは歩く。
何人かにぶつかりそうになったけどギリギリで避けた
「そう云えば袖の中になんかはいっとったな」
ごそごそと漁ってみる
中には短刀5本ぐらい、簪数本、予備の紅沢山、ほんで髪数枚はいっとった。
「取り敢えずどっかに座るとこーひんか、ゆっくり見た方がええやろう」
人ゴミから外れて河川にやって来た
白髪の少年居たけど、気にせへんで近くに座ろうとしたら、
「か、金をだせぇっ!!」て急に脅された
せやけど、ここで暴力沙汰を起こすのんは得策ではあらへんと判断したうちは、
「落ち着け少年。うちはお金は持ってへんで。一銭もな」ていなす様に言うた。
「へ?」て素っ頓狂な声を出した少年
京都弁じゃ分からへんのかいな?
「私がさっき言うたこと理解できたか?」
心配や。
「あ、大丈夫です!分かります!」て言うたさかい安心した。
「君の名前は?」て尋ねったら
「な、中島、敦です。さっきは脅してすみませんでした!」て丁寧に答えてくれたさかい、根は悪い子ではあらへんのやろう
「そうか、うちはスズちゅう。よろしゅう頼む。して敦、なんでお金を求めた?」
「えと、お金が無くて……餓死寸前で……」て言うた
そらしゃあないな。
……あれ?
そう云えば少し人間に思考回路近づいてきた気がする。
嬉しいな……
「あれ、敦。人浮いてる。いけるかいな?」
「えぇっ!?」て慌てた敦は
「ノーカンで……ぅう……えぇい!」て言いながら川に飛び込んだ
偉いな。
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作者名:舞露 Maro. | 作成日時:2018年7月30日 19時