頑張りすぎな紫耀くん－第3章－ (ページ20)

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ⅸ 金縛り不眠症ページ20

H

平｢っ……、｣

声が出ない

身体が固まってるみたいに動かない

ｷｰ…ﾊﾞﾀﾝ

え…誰か入ってきた…？

でも、こんな夜中みたいな時間に誰かが入ってくるはずない

どんどん足音が近付いてくる

だんだん、影が大きくなってくる

平｢ぁ……っ、｣

声出ろ

動け

動け…

ピタ

俺のベッドの真横で、止まった

どんどん

どんどん

近付いてくる

平｢…ぅ…ぁ…、｣

視界に

顔が…＿＿

平｢ぁ、っ、うああぁぁぁぁ！！｣

魔法が解けたかのように叫び声を上げて

反対側のベッド横に転げ落ちた

平｢はぁ、はぁ、ｯ……｣ﾊﾞｯ

人、いない…

さっきの人

全然知らない人だった…

でも、俺の事

睨んでた…

バタバタバタッ

ｶﾞﾁｬｯ!!

永｢紫耀！大丈夫か！？｣

平｢、れ…、ん…っ｣

廉が電気をつけて駆け寄ってきてくれた

誰かが来てくれた安心感で、我慢していた涙が溢れ出した

平｢うｯ、ﾋｯｸ…れ、んっ…ｸﾞｽｯ…｣

永｢しょお？どした？何か怖い事あった？｣

平｢っ、知らな、い…人、ｸﾞｽ…来て…から、だ…っ…動か、なく、て…うぅ…ﾋｯｸ…｣

そこまで言ったら、廉に抱きしめられた

永｢そっか、怖かったな。頑張った頑張った、もう大丈夫やからね。｣

暫く、俺が泣き止むまでずっと寄り添ってくれて

泣き止んだ後、台所に行ってホットミルクを持ってきてくれた

永｢よし、これ飲んで少しゆっくりしようか。｣

口に入れると、ホットミルクの温かさが広がって

少し落ち着いた

平｢はぁ……ありがと、｣

永｢おん。大丈夫？具合悪くなったりしてへん？｣

平｢少しだけ……ぼーっと、する。｣

永｢ぼーっとか…まだ時間経ってへんもんな。また今から、寝れそう？｣

平｢……｣

また、あんな事起きたらやだな…

寝たくない…

永｢んー…じゃあさ、紫耀寝れるまで俺居るから。それだったら寝れそう？｣

それだったら、寝れるかな…

平｢…うん。｣

少し不安だけど、ベッドにまた横になった

永｢大丈夫、大丈夫。｣

胸の辺りを一定のリズムで叩いてくれるのが心地よくて

いつの間にか眠りについていた