頑張り過ぎな紫耀くんー第12章ー

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神宮寺side

紫耀は過呼吸になってすぐ、気を失ってしまった


海人はボロボロ泣き崩れていて

玄樹は涙を流しつつ海人を慰めて

岸くんと廉は何か苦しみを押し殺しているような、何か言いたげな表情で俯いていて

俺は......ただただ、気を失った紫耀を呆然と見つめる




事故に遭ったあの日＿＿
2ヶ月前から、ずっと俺達は紫耀が目を覚ますのを心待ちにしていた


いつになっても...どれだけ経っても良いから、早く目を開けて俺らの名前を呼んで欲しい。そんな思いで....。


なのに、、









．









．







目を開けて、第一声が


「誰ですか＿＿」だった。



笑顔で、俺達の名前を呼んで、「遅くなってごめん」なんて言ってくれて........そう、思っていてた俺達にとって


これ以上＿＿＿辛いことは、無かった









どうして...？


俺ら、そんなに悪いことした、、？


この2ヶ月の間、メディアにバラされるかもしれない恐怖感、センターの紫耀が居ない..穴が空いた感じ、必死に笑顔を保つ事への疲れ.....

色々な苦難も戦ってきた


そして、やっと明るい日々になると思ったら、「記憶喪失」という現実









これ以上、何で辛い思いしなきゃいけないんだよ、、









ｶﾞﾗｶﾞﾗ

医｢平野さんの様子はどうですか？｣


先生.....


岸｢ｯ.....目、覚めました。｣


医｢そうですか！おめで岸『けどッ！！』


岸｢........記憶、ないです、、ッ｣


震える声で、そう伝えた岸くん


医｢っ....そう、でしたか....事故の際、脳にダメージを受けていたので、恐らく...それが原因の記憶喪失だと思われます。｣


岸｢はいｯ....｣


医｢記憶喪失になった場合、本人はとても混乱して精神的にも不安定な時期があります。なので最初は責めずに、状況に慣れてから皆さんのこと、そして平野さん本人のことなどを教えて上げて下さい。｣



“責めずに”


この言葉を聞いて、さっきの俺達の行動を恨んだ
本人は本当に何も知らなくて、困惑してるのに


「ふざけた真似すんな」


「これ以上変なこと言うな」


「何言ってんの」


「本当に知んないの？」


「ちょっとくらい覚えてるよな？｣


5人して、そんな無神経な言葉を投げかけた
胸倉を掴んだり、頬を平手打ちしたり....


医｢皆さんもお辛いと思われますが....私達と一緒に頑張りましょう。｣




「「「「「......はいっ..」」」」」

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