頑張り過ぎな紫耀くんー第12章ー

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岸side

暗闇の中、近くに腕を伸ばしてみても、誰かに触れた感じはしない

距離的に、紫耀に当たってもいいはずなのに...


岸｢俺ちょっと探すわ！｣


永｢俺も！｣


紫耀の「助けて、怖い」って声が、不規則な呼吸の中で何とか聞き取れた
真っ暗で何も見えないけど、今思うのは「紫耀を助けて早く落ち着かせる」事だけ


無我夢中で暗闇を歩き続きる


永｢ｯて..壁やんか...！｣


岸｢っ..何かぶつかったし、、！｣


無我夢中で探すのは良いけど、ぶつかってばかりでろくに探せねぇよ....









ﾊﾟﾁ

岸｢点いた....紫耀ッ！！｣


多分ブレーカーを見に行ってくれた3人のおかげで復旧した明かり


見渡せば、紫耀は玄関の近くに膝を抱えて震えていた


岸｢見っけ..！｣ギュッ


永｢紫耀っ..！｣


平｢はｯ､ﾋｭ..ｯ..ゃだ...や、ぁｯ..ﾊｧｯはぁ、っ..｣


岸｢紫耀、もう大丈夫。優太と廉居るから、ね？｣


身体を離して膝の間に隠れてる顔を上げれば、まだ溢れそうな涙の溜まった虚ろな瞳がさ迷う


平｢ｯはぁはぁ..っ、た、すけｯ..｣


岸｢うん、もう助けた。助けたから落ち着いて？ほら、明かりも点いてるし、ゴロゴロも鳴ってないよ？｣


頭をゆっくり撫でながらそう言えば、段々虚ろだった瞳も焦点が合ってきて、呼吸も落ち着いてきた


そんな時、






ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｯ!!


平｢！！...はぁ...はぁ...ｯ..｣


雷のタイミング....考えてくんね？


岸｢よしよし、怖かったなぁ。ほれ、ギューってしよ。｣


平｢ふｯ、はぁ...ｸﾞｽｯ..きしっ、く..ﾊｧ..｣ｷﾞｭ


腕を軽く広げれば、ポスンと胸に収まって背中に腕を回してきた
くっ付いた身体から凄い震えが伝わってきて、まだ全然落ち着いてない事がよく分かる


高｢紫耀、大丈夫...？｣


永｢ｼｰ...まだやから静かにしとって、｣ｺｿ


廉、サンキューな
流石だわ


岸｢しょお、このままで良いから1回息楽にしよっか。息吸ってー...｣


平｢はぁ、っはぁ...ｯｽｰ..はぁはぁ...ﾊｰ..ｯ..｣


岸｢そう、上手上手。偉いね〜。｣


ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ..


平｢ｯｯ..！｣ﾋﾞｸｯ


岸｢だいじょーぶ。気にしない気にしない、何も怖いこと起きないからね。もう1回、スー..ハー..ってやろう？｣


雷が鳴ってまた身体が強ばったけど、それに負けない大きさの声で話し掛ければ、ちゃんと深呼吸を繰り返してくれる




これで呼吸が落ち着いたら、リビングに連れてって話聞くか、、

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