23話 ページ24
Noside
地上では、サンジが海兵を片し船へ戻ると
クルー達は混乱していた
昨日何事も無かった仲間が、帰ってきたら瀕死なのだ
それは落ち着いてもいられないだろう…
ｻﾝｼﾞ「ナミさん！Aは！？」
ﾅﾐ「出血多量で酷い状態よ！！
チョッパーが緊急手術って言ってたけど、
輸血するための血液型が分からなくて、
今調べてるところよ！」
ﾙﾌｨ「ゾロ！Aはどうしたんだ！？
どうしてあんな血が出てんだよ…！！」
ｿﾞﾛ「…」
ｳｿｯﾌﾟ「というか！！お前も！頬に血が…！」
ｿﾞﾛ「これは俺の血じゃねぇ」
ﾌﾗﾝｷｰ「どういうことだそりゃ？」
ｿﾞﾛ「これは、Aの血だ」
ゾロが戦っていた時のアレスの武器は千枚通し
ちょうどAの腹から抜いた直後に
武器として使っていたのだ
刀とぶつかった時に飛んだAの血が
ゾロの頬に飛んでしまったのだった
正直、ゾロも何が起こっていたのか分かっていない
あの場所での事は、A本人にしか分からない
医務室の扉が開き、焦った顔のチョッパーが出てくる
ﾁｮｯﾊﾟｰ「サンジ！！！」
ｻﾝｼﾞ「どうしたチョッパー！！」
ﾁｮｯﾊﾟｰ「サンジに輸血を頼みたいんだ！！」
ﾅﾐ「え、それって…！！！」
ﾁｮｯﾊﾟｰ「うん…Aの血液型は…
S型だったんだよ…！！それも、RH-の！！！」
ﾌﾞﾙｯｸ「それではサンジさんに負担がかかるんじゃ…」
ﾁｮｯﾊﾟｰ「けど…この船にはサンジしか一緒の血液型がいないし…」
ｳｿｯﾌﾟ「けど出血量も多いんだろ！？
サンジまで倒れちまったらいよいよやべぇよ！」
ｿﾞﾛ「ウソップうるせぇ！！」
ﾌﾗﾝｷｰ「お前落ち着けって！！」
ｿﾞﾛ「おい…コック
この話はてめぇしか手が出せねぇよ
血液型なんざ、選べるもんじゃねぇ
それに輸血なんてもんも任意だ
てめぇが死ぬ可能性だってあんだ！！
それを踏まえて決断しろよ」
ゾロの言葉にクルー達は言葉が出ない
恋人を助けたい…仲間を助けたい
確かにAを助けるためには輸血は大量にいる
サンジまで倒れる可能性もあるのだ
事は一刻を争う状況であるにも関わらず、
あくまで私情を持たず、
サンジに選択を委ねたゾロに
1番苦しいのはゾロなんだと、
クルー達も理解しているからこそ、
全員の視線は自然とサンジへと向けられた…
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年3月25日 1時
