もう1人の弟【ONEPIECE】 (ページ2)

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A目線

俺は家族が好きだ。子供の頃からずっと好きだった。
両親は優しくしてくれたし、ロシー兄様とドフィ兄様も、みんなみんな大好きだった。
皆といられるだけで俺は幸せだった。
でもその幸せはある事をきっかけに崩れ去ってしまった。

聖地マリージョアから下界におりて生活を始めた頃、街の人々に家を焼かれ街からおわれた。
それからしばらくして母が病気で死に残った俺たちは村人たちに発見されて殺されかけた。

俺は人が憎かった、俺たちは何もしていない。なのに元天竜人と言うだけで虐げられ、大切な家族を失った。
だが俺は人以上に、父親が憎かった。
父親が下界で生きることを選ばなければ、皆で降りなければ、皆で幸せにずっと、何不自由なく暮らせたはずなのに。

だから、俺は嬉しかったんだ。あの時、ドフィ兄様が父親を殺してくれたことが。
その後、ドフィ兄様とロシー兄様と俺で生きていこうと思っていたのに…
ロシー兄様は少しして姿を消して俺とドフィ兄様2人だけになってしまった。

『ねぇドフィ兄様…ホントに、ロシー兄様は死んじゃったのかぇ…？』
涙を堪えながら俺はドフィに聞いた。
ﾄﾞ「こんだけ探して居ないんだ、それしかないえ。」
『ｯ…兄様、兄様は、居なくならないかぇ…？ずっと居てくれる？ぼく、兄様まで居なくなったら、生きていける自信ないえ……』
ﾄﾞ「当たり前だえ、Aこそ、俺を裏切るんじゃないえ。」
『ぅん…うん…ｯ！裏切らない…ぼく兄様と、ずっと一緒にいたいえ…』
ﾄﾞ「なら約束だえ、Aと俺はずっと一緒だえ」

それから俺は兄様に連れられて日々を過ごした。海賊になり兄様以外にもファミリーという仲間達が増えた。
それからしばらくしたある日、俺が1人で街をふらついているところに突然ロシー兄様が現れた。

『は、ぇ…ろ、しー兄様…？ホントに、ホントにロシー兄様...？』
ロシー兄様は黙って頷いた。
俺は嬉しさのあまりロシー兄様に抱きついた。
『兄様、兄様...！生きてた…良かった…ホントに、生きてて…ｯ』
ロシー兄様を強く抱き締めているとポンポンとロシー兄様に肩を叩かれた。

『っあ、ごめん、苦しかった…？』
そう聞くとロシー兄様は紙を取り出して「大丈夫」と書いた紙を見せてきた。
(ロシー兄様、もしかして喋れなくなって…)
少し悲しくもなったが再会できたことへの喜びが大きかったため、俺は急いでロシー兄様を船に連れていった。