12話 ページ13
「A！A！」
「、、は、はい！」
先程、出会った黒髪の方のことを考えながら歩いていたのでお兄様の声に気づきませんでした。
「すみません、考え事をしていまして、、」
「めずらしいな」
お兄様が私を不思議そうに見つめています。
「何かあったら俺に言えって約束だろ？」
「っはい、、たいしたことではありません、、」
先程の男性の事なんて口が裂けても言えません、、
お兄様は男絡みのことは厳しいんです、、
以前、お兄様の部下の方に食事を誘われたのを知られた時はすごい心配をされました。
ちなみに部下の方は左遷させられました。
それぐらい敏感なのです。
「何もないならいいが、、」
お兄様以外に手を繋がれたのなんて知られたら、、、
先程の男性を次にお見かけするときには遺体に、、
考えたくありません、、
「あれ、、？Aちゃん顔色悪いよ」
ダテさんが私の顔を覗きこんで心配してくれています。
「だっ大丈夫です！」
「具合悪かったら言ってね？ショウタの店もうすぐだから休めるし」
「ありがとうございます、、」
ダテさんに迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ないです。
「俺がおんぶしようか？？姫の介抱は執事の務めです！」
サクマさんが親切で言ってくれてるのですが、それはお兄様の禁句ワードです！
「あ？サクマ何いってるだ、お前がおんぶするなら俺が」
その瞬間、お兄様は私を軽々とお姫様抱っこをしました。
「お兄様！人前で、、！」
「人なんて気にするな」
「気にします！！」
私はお兄様にお姫様抱っこされたままショウタさんのお店に連れて行かれました。
「あら？大胆ね」
タツヤさんいえ、マルさんがくすくすと笑っています。
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作者名：ゆい | 作成日時：2022年3月17日 19時
