消えない炎を愛してはいけない【炎炎ノ消防隊】

伝説 火華side ページ19

プ「おい！桜備ィ！」

桜「えっなんです？！」

プ「どうしてお前の隊に伝説と呼ばれた人がいるんだ!!!!」

『大袈裟だなぁ、僕はそんな大層な人間じゃないんだけど…』


なんで!!この男はこんなにも!!自覚がないんだ!!
消防隊が8年間も探し続けていた男だぞ！
死んだと思っているやつも多いがこの人に可笑しほど執着してる奴もいる

そんな人が現れた
目の前に

桜備と話すこの人の笑みは今まで見た何よりも美しい

…彼を盲目的に愛している奴らの気持ちもわからなくもない
救われたような笑み
例えるならば聖女だろう

守りたくなるような、そんな笑顔


プ「はぁぁ…」

『凄い深いため息ですね』

プ「そうなるのも仕方あるまい…

A、いいか？非常時以外は絶っっ対に面を外すなよ、聖女みたいなことはするな、バレるからな」

『聖女…？』


桜備が後ろで頷く
お前もちゃんとフォローをするんだよ!!

…この人本当に第8にいて平気か？

直ぐにバレる気しかしないんだが…



『まぁ僕を覚えている人なんてひと握りだと思いますし、あまりガチガチに固めても不自然になるので自然体でいきますよ

まぁ、人前ではお面はするし、ちゃんと声も変えます


能力も書類に書いたものしか使いませんので！』



明るい笑みの後ろに暗いものを感じた
この人も私と同じように炎に絶望したのだろうか

悪魔になってしまったのか


…やはり炎とは人を狂わせる悪魔だ

『では僕はここら辺で、第5の隊員さんとお話してきますね』

桜「おう、気をつけろよー」

『大丈夫ですよ』

鼻歌を歌いながら気分よく歩いていくA
心配だな

プ「桜備」

桜「何でしょう？」

プ「…彼から目を離すなよ、お前らは危なっかしくて到底見ていられんがな」

先程見せた儚げない笑み
少し目を離せば、花のように散ってしまいそうなそんな人だ


桜「…分かっていますよ」


プ「それとあの首の後ろの跡は隠させろ、見る奴によってはブチギレるぞ」


桜「…気をつけます…」

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