甘党イエロー。 (ページ37)

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照side

カフェに着くとスマホを覗いている彼女が見える。

いつもとは違う服装にドキドキしてしまう。

「お待たせ、乗って？」

感情が爆発しないようにそう声をかけると助手席に腰かけた。

「俺ん家でもいい？嫌だったらどっか他探すけど。」

A「大丈夫？私照の家行っても撮られない？」

なんて、笑って言うもんだから

「撮られたらどーしよーな」

そう笑って返す。

A「照って、凄い有名人なんだね。全然知らなかった。」

「まだまだな証拠だわ、Aには現に知られてなかったわけだし？」

A「私がテレビとか見ないだけだよ。」

「俺ももっと頑張るわ」

また笑って返すと、少し沈黙が続いた。

沈黙を破ったのは彼女で

A「さっきね、照のこと調べたの。」

赤信号で止まっている時に横目に見た彼女の顔は少し寂しそうで

A「私の知らない照がいっぱい居た。」

「……例えば？」

A「甘いもの好きそうじゃない顔した照、筋肉ムキムキなのを丸出しな照、ダンスが凄い照、メンバーとクシャクシャに笑ってる照……」

色んな俺を上げてくれる。

A「私照のことなんも知らないなぁって……」

俺、今から振られると思ってたのに、そんな表情されたら

「期待しちゃうよ……」

気づけば口に出ていた。