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リップ音しか聞こえない。



暗い部屋ではともやの輪郭しかわからない。

頭から肩までをなぞる。




「は、ぁ、きもちい」





ともやの吐息。
熱い息がくすぐったい。






「キスだけで気持ちよくなれるの?」






意地悪に聞いてくる。

この人は、本当に。






腹部に硬いものが当たる。



私を求めてる。

それが嬉しかった。





私の肩に埋めたともやの頭は、私と同じシャンプーの匂いがする。





これが幸せなんだ。



抱えきれないほどの幸せが、あふれて、こぼれてしまいそうで怖かった。

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作者名:Diana | 作成日時:2019年2月11日 14時

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