１２話 凛Side ページ18
今日は朝から美咲の様子が変だった。
元気がないというか、なんというか…。
ただ無理に聞くわけにもいかず、そのままにしていた。
部活が終わる頃だった。先に着替えて廊下に出ると
うずくまっている美咲がいた。
(あいつッ…！もしかして…！)
美咲の元には吸入器はなかった。
(仕方ねぇ…病院に連れてくか)
病院に連れてきてからは医者と話をした。
案の定、喘息の発作だった。
病院のベットの上で点滴を打たれながら寝ている美咲は、
なぜか涙を流していた。
(美咲……お前いつも１人で…)
なんて思いながら美咲の涙を拭いてやった。
(俺ならお前を…美咲を大事にしてやれるのに……)
(あぁ…俺はもしかして…いや…こいつが…好きなんだ……)
俺ならこいつを１人にしない。そばにいてやれる。
こいつは昔はよく笑うやつだった。
そんな笑顔がいつも俺に元気をくれた。
そうだ…こいつはいつも俺のそばにいた。
これからは俺が……
そんなことを思っていたら美咲が目を覚ました。
俺はここまでのこと、医者から言われたことを話した。
美咲は外の方を見ながら話をしてくれた。
今までこうなったときはいつも１人だったこと
聞いていて俺まで辛くなった。こんなときにだれも
そばにいないこと、頼れないこと。
それがどれだけ辛かっただろう。
それにこんな顔をする美咲はみたくないと思った。
この気持ちはいつ話そう……
もう少し…先に……
そんないろんな気持ちを思いながら……
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作者名：遊玻 | 作成日時：2022年2月5日 20時
