不良系エイジアンガール【ヒロアカ】 (ページ31)

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「俺にとっては充分ヒーローなんだけどなァ...」

何気なく言ったのかもしれないけど、私は確かにその言葉で救われた。

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「そりゃまた...難しいことで喧嘩したな...」

ケーキ美味いけどこれ兄貴作った？
いや違うけど、普通に買った。
まーそうだろな。
おいどういう意味だ。

わちゃわちゃしながらも私達は双子だ。
私に悩み事があるのは兄貴には筒抜け。
...まぁ逆に私も兄貴の悩み事とかエ○本の隠し場所とか知ってるけど！

『ホントそれ。昔はヒーロー好きだったけど...なんかさ、昔は憧れ！って感じだったけど今は仕事って感じバリバリするじゃん。立派な国家公務員様様じゃん？』

「あー確かに」

『こう...裏では汚いお金がスーと流れてったり？』

人差し指を伸ばして水が流れるような動作をすると眉を顰められる。

「オールマイトはそんなことしなさそうだけどな」

『オールマイトは根っからのお人好しって感じするじゃん、だからノーカン』

つかあれが演技だと困る。色々と。
私のメンタルとか。緑谷君のメンタルとか。

「つまり？Aは人を助けるとかアホらしすぎてムリと？」

『いやそこまでは言ってない』

「え、でも知らない人助けるとかムリってことだろ。...お前意外と卑屈だよな」

『自論だよバカヤロー』

卑屈発言いただきました。
切島君インターン応援してるよ。

...まだ先か。

「...俺はヒーロー志望じゃん？だから知らない人でも助けるじゃん」

『うん分かる』

「お前は知り合いなら助けるし俺の事なら助けるだろ？」

『うん当たり前だね』

「当たり前っていうあたりがなァ...まぁいいや、お前が俺を助けて助けられた俺が他人を助ける。こうしたらお前も立派にヒーローじゃね？」

『...屁理屈』

「...思案といえ思案と。明日友達に言ってやれば？俺とコンビ組めば最強だって。双子の特権だろ？」

『兄貴を助ける...ヒーロー』

「そそ。そうすりゃ俺にとっては充分ヒーローなんだけどなァ...」

うん。いいかも。

「おバカなAちゃんはこれで納得？ヒーローが嫌いならお前がなって俺と一緒に変えればいい。変えなくても考えは少し変わったろ？」

『...余計なお世話だバカ兄貴』

ドアを閉めて自分の部屋にこもる。

「一緒にヒーローなろうって約束したのにな...」

そう呟いた兄貴の言葉は聞こえなかった。