素敵な恋人【なにわ男子】 (ページ3)

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「ずっとしてたいなぁ……ちゅー……」
『かずくんいつまで起きてるの』
「Aが……ねるまで……？」
『無理でしょ』
「いやや……おきとく……」

今度は困った顔をする。たまらなくなって、わたしがまた唇をくっつける。

「……ん、ん」

かずくんの吐息が聞こえたから目を開けると、目の前にもうすくひらいた目、はとろとろ。

「……A、」

一瞬唇を離され名前を呼ばれた次の瞬間、すごい勢いで後頭部と背中をぐいっと引き寄せられる。驚いてひらいたその隙間に入り込む彼の熱。

『ん、……』
「……は、っ」

彼の目に見惚れて、身体だけじゃなくて目も離せなくなってしまってどうしよう。

幸せ、苦しくて幸せ。かずくんが好き。

どこまで繋がればちゃんと伝わるんだろう、わたしの『好き』が。全部あげたいのに。

バレンタインとかに、チョコあげる、みたいな。それで全部伝わってくれればいいのに。わたしの中ではくっきりと形があるそれをそのまま彼の身体に押し込んで、かずくんがわたしの『好き』の量を測ることができれば。

「A？……きもちい？」
『……もっかい』
「……え？」
『わたしだって、ずっと。ずっとしときた、っ』

わたしが言葉を言い終える前に、引き寄せられてまた重なる。

ひとつになれないから、くっつけるんだろうね。わたしたち。

求め合えるように、ひとつじゃないのかもしれない。

そんなことを思いながらかずくんとキスをする。柔らかくて、濡れてて、ちょっとあまい。何度も磁石みたいに引き合って、もう逃げられない。逃がされたくなんて、ないけれど。

「……なんか、A……あまい味する、」
『……かずくんもあまいよ？』
「ん……？おれも……？なんでやろ……」

またかずくんの瞬きの数が多くなる。眠たそうなのに、必死に考えてる顔が可愛くてわたしが笑うと、かずくんも『なにわらってるん……？』と弱く笑う。

ふたりでくすくす笑うと、わたしのところにも眠気がやってきた。

『……かずくん、明日考えよ。』
「……ん」
『おやすみ』
「……おやすみぃ……」

今度は眠気に負けたのか、大人しくおやすみを言って眠りについた彼。

頭を撫でると目をつぶったまま嬉しそうに口元を緩めている。もう一度だけ目の前にあるそれに軽く唇を重ねて、今度こそわたしも瞼をおとした。