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「あした……やすみやん？」
『明日休みやね』
「いっぱいくっつくなぁ……」
『……宣言？』
「ん……さきに、ゆっとこ、ってぇ……」
首元に感じる吐息もあったかくて身を捩る。かずくんが『あかん。はなれんとってや……』って言う。
あまったるい言葉が耳から入り込んで、毒みたいに全身に回る。
かずくんに抱きしめられた時も、手を握られた時も、キスをされた時も。いつもそう。
『かずくん？』
「ん……。はなれたら、あかんよ？」
『離れへんよ』
「Aもぎゅーして……」
瞼がとじてしまいそうなのに、我慢してるから睫毛が揺れてる。
そんな姿を見てかずくんのお願いを無視することなんてできなくて、片手は上から背中に片手はかずくんの身体の下から回して、両手でかずくんを抱きしめた。
今度はわたしの顔がかずくんの首元に近づく。
「きす、するぅ……？」
とにかく甘ったるいようなとろとろ溶けてしまいそうなかずくんの声がくぐもって聞こえてくるから、身体が熱くなる。
でもちょっと聞き方が可愛くて笑っちゃう。
「……？どしたん……？」
『んーん……なんにも。』
「こっち……」
何度重ねても気持ちいいと思うのは、間違いなくわたしがかずくんのことを大好きだからだろうな、と思いつつ夢みたいな現実に酔う。
鈍く光る橙色の光が照らす暗い部屋で、かずくんの唇を弱く噛むと、かずくんはわたしの後頭部を撫でて唇を離した。
「……すきー……めっちゃすき、」
『……寝ぼけてる？起きてる？かずくん』
「……えぇ？……おきてるよぉー……？」
『かずくんもう寝よっか。明日お休みだから、』
「ずっと一緒、おってなぁ？……」
『……いるよ、ずっと』
至近距離で動くかずくんの目と唇。柔らかく笑ってる。
「……じゃあ、おれもあたまなでて……」
『ん……はい、』
さっきしてくれたようにかずくんの頭の後ろを撫でてみる。さらさらの髪は軽い。
「……こっちの、手はにぎってぇ……」
『……はい。』
今日はやけに甘えてくる。寂しかったのかな……？どうしたんだろう。
くっついてくるのはいつもだけど。
「もっかい、ちゅーしよ」
『さっきしたのに』
「たりひん。もっかい……なぁ、おねがい……」
そんなに切ない顔しないでよ。また愛おしくなって、心が苦しくなる。どうしたらいいか、わからなくなる。
言われるがままに唇を重ねると、彼はふっと微笑む。
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作者名：ユウ | 作成日時：2022年2月18日 0時
