９ ページ9
私が、優吾さんに引き取られてから、一週間が経過した。
優吾さんは、私に優しく接してくれて、ご飯を作ってくれた。
一週間も経過したので、私も徐々にこの生活に慣れて優吾さんとよく話すようになった。
くだらない話で、楽しそうに笑ってくれる優吾さんを見ると、心の奥底から安心した。
優吾さんは、“お仕事”を変わらず行っているそうで深夜になるとバイクに乗ってキャンピングカーを出て行った。
「…お洗濯、手伝います。」
優吾「お、ありがとう。」
キャンピングカーの外に出て、バケツに水を入れてゴシゴシと洋服をこする優吾さん。
私も外に出て、優吾さんの手伝いをした。
「…そっち、洗います。」
優吾「え？いや、これはいいよ。Aの手が生臭くなっちゃう」
優吾さんがわざわざバケツで洋服を洗っているのは、その洋服にたくさんの血が染みついているから。
洗濯機を使うと、他の洋服に血の匂いが移ってしまうから。
優吾さんは、すでに洗い終わった方を私に渡す。
優吾「ごめん。こっちをすすいでくれる？」
「…わかりました。」
私は優吾さんの隣にしゃがみ込むと、石鹸を泡立てて洋服をこする。
もう血も泥も出てこない洋服を熱心に洗っていると、優吾さんが話しかけてくる。
優吾「…この生活には慣れた？」
「え？…あ、はい。慣れました。キャンピングカーって、けっこう楽しいですね」
優吾「だろ？俺もああいうので暮らすのがすごい好きなんだよ。」
優吾さんは笑いながら洋服をこする。
優吾「…おし。こんなもんか。A。そっちもいい？」
「あ、はい。」
優吾「ありがとう！じゃ、まとめて洗濯機に突っ込むか」
優吾さんはキャンピングカーの中に入ると、洗濯カゴにさっき洗った洋服をいれた。
「…あの、優吾さん。」
優吾「ん？どうした？」
「…改めて、言いたくて。…私をここに連れてきてくれて、ありがとうございます。」
私がそう言うと、優吾さんは私を優しく見つめる。
優吾「…なんだよ、急にｗｗてか、お礼を言われる筋合いはないよ？だって俺、Aのこと誘拐しちゃってるし」
「…ううん。優吾さんは、私を助けだしてくれたんだ。…だから、本当に、ありがとうございます。」
わたしはそういうと、頭を下げた。
優吾「…俺は、Aが笑えてるならそれでいいよ」
私は顔を上げる。
優吾さんは、私の頭を撫でながら笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すのうHIINA - ななもちさん» ありがとうございます！！チェックして頂けてるなんて光栄です！！「悪女」も見て頂けてとても嬉しいです！！ぜひ、これからもよろしくお願いします！！コメントありがとうございます！よろしければ、またコメントお願いします！ (2023年1月15日 22時) (
レス) id: 1662122533 (このIDを非表示/違反報告)
ななもち - いつもすのうさんの作品読ませて頂いてます！とても、面白いです。これからも頑張ってください！ちなみに、私の推し作品は「悪女には裏と表があるらしい」とこの作品です！投稿頑張ってください！ (2023年1月15日 21時) (レス) @page8 id: f3515f8922 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すのうHIINA | 作成日時：2023年1月14日 19時
