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Side Yugo
▽
あれから、どうやって自宅へ帰ったのか覚えていない。
ジェシーが死んだなんて考えられなくて、
考えたくなくて 気づけば、夜が来ていた。
ジェシーのお母さんから、着信があった。
慌てて折り返すとジェシーの葬儀についての話だった。
それから暫く話したのち 電話を切り、そっと目を閉じる。
ジェシーとの思い出が砂のように、零れ落ちていく。
必死に掴もうとしたそれはさらさらとどこかへ行ってしまった。
それから俺は耐えきれなくなって、声をあげ泣き続けた。
いつかの彼の言葉を思い出す。
“こーち、俺っ、、、お、れ…あっちで見守って…るから、っ…。こーちの太陽に、なるから。必ずなるからね。だから…”
ジェシーは出会ったときから俺の太陽だよ。
これからも、この先もずっとずっと太陽だ。
どんなに苦しい日も、ジェシーと出会ってからはどうにか頑張ることができたんだよ。ジェシーに褒めて欲しくて。
“ ……、どうか、泣かないで…。笑っ、て…いて。
きっと…幸せ、になって。必ず、生き抜いて ”
ごめんね,ジェシー。こんな俺でごめんね。
泣いてばかりでごめんね。でも、ジェシーがいないと笑えないよ。
俺が “いま” を生きていて、貴方が死んでしまった理由を
どうしても考えてしまうんだよ。俺はほんとうに弱いね。
でも、俺は生きるから。
この命尽きるまで必ず生きていつの日か俺が向こうに行ったときはさ、ずっと一緒にいよう。こーち老けたね、ってそう言って、「 AHAHA 」 ってかわいい笑顔で、声で、笑ってよ。
家族じゃない。兄弟じゃない。恋人でもない。
けれど俺は確かにジェシーのことを
ひとりの人間として愛していた。
俺たちふたりは同じ病院で出会った患者同士で、
それから些細な縁があって友だちになった。
出会ったきっかけはあまり笑えなかったね。
一緒に過ごした時間はほんとうに短かった。
けれど何より濃い数ヶ月は俺の体を確かに支配していた。
……いつの間に、眠ってしまったのだろう。
気づけば、太陽が昇っていた。
どんなに苦しくても、明けない夜はないのだと、
痛いほどに思わせられる朝だった。
“笑ってよ、こーち”
彼の声が聞こえたような、そんな気がした。
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名無し26615号(プロフ) - カスミソウを観覧したいのでパスワードを教えてください (11月21日 13時) (レス) id: e076ad06d9 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 涙止まらないです。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (11月11日 12時) (レス) @page41 id: a4ea728afa (このIDを非表示/違反報告)
しゃぼん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん,しゃぼんと申します。お話の感想とてもとても嬉しいです。ふたりでこのお話を創った時間が一気に蘇りました。これからも何卒よろしくお願いします! (2021年10月23日 10時) (レス) id: 6ba1b619fe (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん ありがとうございます! 2人で丁寧に練ったお話だったので、そう言っていただけてとても嬉しいですし光栄です。これからも愛していただけたら...と!' (2021年10月22日 20時) (レス) id: a0ba54fd23 (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - ボロッボロに泣いてしまいました。こんなに悲しいのに温かいお話を書いてくださって本当に有難うございました (2021年10月21日 20時) (レス) @page42 id: ae229e33a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん・しゃぼん x他1人 | 作成日時:2021年5月29日 18時