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Side Yugo







「高地くん...この子ね、まだ少し話せるの。あんなにおしゃべりな子だから、少し物足りないけれど...」

ジェシーそっくりの顔で、目を赤くしながらも笑うお母さんに彼の笑った顔を重ねている自分がいて、どうしようもない。

「そうですね...おしゃべりだから、ジェシー

.....じぇし、来たよ。」

目を閉じたまま、少し口を開けているジェシー。

間抜け面なのに、どこか美しくて儚くて。
茶化す気には到底ならなかった。


「....ね、聞こえる?最後まで、諦めなかったか?」

「ヒュ....はぁ.......こ、ぉ」

カスカスの声だけど、確かにあの暖かい声。
吐き出される命の証に触れたくて、酸素マスクの壁に阻まれながらも、唇のそばに手を当てる。

俺と同じ''息''だった。

この先も生きていく俺と。
あと数分なのか、数時間なのか分からないけれど、もう少しで旅立つジェシー。

こんなにも待ち受ける先は違うのに、生きている証は全く同じで。

そう思った瞬間に、俺の視界は一緒に行った海の波のようにゆらりと揺れて、その波は堤防を超え頬に流れ出した。

「じぇし....おまえ、こんな暗い中で逝かないで。太陽がある時まで...ずっと....」

「....こぉ...ぅき...すぅ..き」

「俺の質問に答えろよぉ...はっ、..俺もだよ」

こくんっとほんの数ミリ顎が下がって、ぽってりとした唇が少し薄くなった。

届いたのか。届いたと信じたい。

「最期まで、俺と話してよ...ね?」

またジェシーからの反応は薄くなったけど、俺はとにかく話した。

ジェシーのご家族とも。

鼻をすする中に、笑い声が溢れるジェシーの最期の病室は彼らしくて、微笑ましくなると共にほんのり寂しくなった。

誰よりも華やかな笑い声がないのだから。

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名無し26615号(プロフ) - カスミソウを観覧したいのでパスワードを教えてください (11月21日 13時) (レス) id: e076ad06d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 涙止まらないです。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (11月11日 12時) (レス) @page41 id: a4ea728afa (このIDを非表示/違反報告)
しゃぼん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん,しゃぼんと申します。お話の感想とてもとても嬉しいです。ふたりでこのお話を創った時間が一気に蘇りました。これからも何卒よろしくお願いします! (2021年10月23日 10時) (レス) id: 6ba1b619fe (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん ありがとうございます! 2人で丁寧に練ったお話だったので、そう言っていただけてとても嬉しいですし光栄です。これからも愛していただけたら...と!' (2021年10月22日 20時) (レス) id: a0ba54fd23 (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - ボロッボロに泣いてしまいました。こんなに悲しいのに温かいお話を書いてくださって本当に有難うございました (2021年10月21日 20時) (レス) @page42 id: ae229e33a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん・しゃぼん x他1人 | 作成日時:2021年5月29日 18時

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