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Side Jesse







その言葉を聞いた瞬間、ざわめきが戻ってきて。
いつも通りの時が流れる世界に巻き込まれる。


「....どういう意味か分かった?」


「ん....お前、頑張ったんだな。ずっとずっと」



クシャっと笑う高地の顔が、ほんの少しだけ寂しそうにみえて。

勝手かもしれないけど、嬉しいようなもったいないような気持ちになる。


「俺...もう、無理なんだって。最後の抗がん剤も苦しくなっただけで...意味なかった。

マミー.…いっぱい泣かせちゃった。



しかも...俺、俺...気づきたくないことまで気づいて。」



「うん....聞いてるよ。」



重なった手の上に、片方の手をもう一度重ねる。
ぎゅっと力を込めると、小さく高地は頷いた。



「俺..大丈夫だって思ってた。病気になってから、
もしかしたら俺もう無理かもって思ってたから...
怖くないって。


でも!!いざそうなったら...怖い訳じゃなかった。


寂しいの..おれ、さびしいんだ…

ん゛、ぁ...こーち、まだいっぱい話したいの…
もっと知りたい、時間を一緒に...」



目の前が海になった。
綺麗な海じゃない、真っ黒な海。


ぐしゃぐしゃになった俺の顔。
そこに、何かが触れた。

「お前はいま、時間を一緒に過ごしてるよ...俺とさ。
俺らは今を生きてんだよ?


先は分からないけど、今ジェシーと同じ空気吸って、同じ温度の部屋にいて、同じ匂いを感じてる。それで十分だろ??」


「...こ、ち...こーちぃい...十分じゃない!
 俺欲張りだから、だからっ」





触れたのは高地の親指。涙を救うように、すっと俺の目の下を辿って行った。







その手はそのまま俺の肩に回されて、抱き寄せられた。

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名無し26615号(プロフ) - カスミソウを観覧したいのでパスワードを教えてください (11月21日 13時) (レス) id: e076ad06d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 涙止まらないです。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (11月11日 12時) (レス) @page41 id: a4ea728afa (このIDを非表示/違反報告)
しゃぼん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん,しゃぼんと申します。お話の感想とてもとても嬉しいです。ふたりでこのお話を創った時間が一気に蘇りました。これからも何卒よろしくお願いします! (2021年10月23日 10時) (レス) id: 6ba1b619fe (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 桜花さん» 桜花さん ありがとうございます! 2人で丁寧に練ったお話だったので、そう言っていただけてとても嬉しいですし光栄です。これからも愛していただけたら...と!' (2021年10月22日 20時) (レス) id: a0ba54fd23 (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - ボロッボロに泣いてしまいました。こんなに悲しいのに温かいお話を書いてくださって本当に有難うございました (2021年10月21日 20時) (レス) @page42 id: ae229e33a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん・しゃぼん x他1人 | 作成日時:2021年5月29日 18時

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