長男を振り向かせたい【竈門炭治郎】【現パロ】

４７．満腹 ページ47

次々と料理が運ばれてきて、その間も絶え間なく会話をしていた。




普段の我妻先輩たちの様子や、たまに入る撮影の事とか、将来の事とか。




私はてっきり、炭治郎さんも俳優の道へと進むのだと思っていた。




けれども、実際話を聞いてみると、炭治郎さんはお芝居の仕事は選ばず、編集等の裏方に回りたいそうだ。




竈｢表舞台に立つことは決して嫌いじゃない。けど、1度編集さんと関わることがあったんだが、そっちの方に興味をそそられてな｣




炭治郎さんは器用だから、なんでもできると思う。




それに対して私は、曖昧な夢のままだ。




アーティストを夢見てる割に、最近は音楽活動にもあまり顔を出していない。




かと言って、演技を頑張っているのかと言われても微妙だ。




なんとなく、やりたい事が見つかっていない。




芸能コースを選んだのも、スカウトされたので成り行きだった。




竈｢Aはこれからどうしたいんだ？｣




『…まだ、正直、分からないんです。自分のしたい事とか、夢とか、曖昧で』




竈｢…そっか。なら、俺も一緒に手伝ってもいいか？｣




突然椅子から立ち上がると、私の右側に回ってきて、片膝を着き、私を見上げるような体勢になった。

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