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颯と会わなくなって
1人の時間を過ごすことが多くなった。
残してあった颯との思い出を全部ゴミに捨てた。
家の中もスッキリした気がする。
こんなに簡単なことだったんだ…
なんで今までできなかったんだろう。
ただ静かに流れる1人の時間を数ヶ月楽しんだ。
そんな中やっぱりずっと心にいる彼。
思い浮かべるだけで温かくなる。
こんな人、他にいるんだろうか。
たまにテレビで見かける彼は
素敵な笑顔で楽しそう。
それだけで、
あなたの笑顔が見れるだけで
それだけで幸せ。
これでいい。
あの時車を降りて病院に入る前
一度だけ振り返ると
ハンドルに項垂れるように頭をつける彼が見えた。
自分が最低なことしてるのはわかってる。
この数年ずっと優と一緒で
カップル同然のように生活してた。
なのにいきなり…
彼の周りには可愛い女優さんが沢山いて
きっと、そんな人の方が幸せになれるはず。
颯と別れたとき、
ぽっかりあいた胸の隙間を
ゆっくりゆっくり優しく温かく優が埋めてくれたけど
あのときより深く深くぽっかりと穴があいた。
画面越しに見るあなたは笑ってて
触れたくても触れれない。
あの大きな手が懐かしい。
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作者名：唯音
| 作成日時：2023年3月28日 16時
