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あの日、高地がAを連れてきたお礼も兼ねて
高地に連絡してご飯に行った。
Aとられるぞって背中を押そうと思って
Aも自分から連絡しにくそうだ。
高地の話をすると切なそうで、
でも、優しい顔して笑うから。
2人のためにって
高地の後押しをしたくて誘ったのに。
あの日、俺が電話したタイミングで
高地とAは大切な話をしていた。
あの時、行かないと強く拒んだ彼女意思は
きっと颯より高地にあったからだ。
知らなくて、たくさん電話して。
高地にあんなこと言えば高地は送り届けるしかない。
俺が、俺が、2人の未来を潰したのかもしれない。
「お前もそれ望んでんじゃねーの」
高地の言葉がずっしりと重くのしかかる。
違うんだよ。
そうじゃないんだ。
「9年間一緒にいたんだから元の位置に戻れば
全部丸くおさまるんじゃねーの」
じゃーお前の気持ちはどうなるんだよ。
Aの本当の気持ちはどうなるんだよ。
確かめたいと言った彼女は何をするつもりなのか。
俺はただ何もできずに足踏みするしかなかった。
そして月日は過ぎ去り
颯は無事に退院した。
退院の日もAと2人で付き添った。
颯「3人でいると昔に戻ったみたいだな！」
『そーだね』
リハビリの甲斐あってか
多少引きずるけど歩けるようになって
1人で生活できるまでに回復した。
すごい回復力って医者も褒めてたし
リハビリの人もよく頑張ってますって
いつも言ってくれてた。
それだけAとより戻したかったのかな。
笑ってる2人を見て高地の言うように
2人が幸せならこれでよかったのかな。
なんて…。
でも俺はきっと一生、高地への罪悪感が消えない。
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作者名：唯音
| 作成日時：2023年3月28日 16時
