6年越しの恋の行方【3】 (ページ21)

今日:2 hit、昨日:83 hit、合計:96,190 hit

99 ページ21

・

それから1ヶ月と半月が過ぎた。

今日は仕事終わりに颯のところへ向かう。

あの日からまだ目を覚さない。

目を覚ましてもおかしくないってお医者さんは

言うのに、全然目を覚さない。

たくさん付いていた機械も

もうほとんどついてない。

病室に入ると相変わらず眠ってる。

『いつまで寝てんだよー』

しばらくして、そろそろ帰ろうかな

『颯そろそろかえるね、またくる』

そう言ったとき、

颯の瞼がゆっくり開いた。

『うそ、颯？ねぇー聞こえる？颯』

急いでナースコールを押して先生を呼んだ

颯「A」

『ん。Aだよ。』

虫より小さい空気のような声で私を呼ぶ

お医者さんと看護師さんがきて

診察してくれた。

その間に大翔と颯の両親に連絡した。

とりあえず一安心だ。

まだそんなに話せないし

疲れてるだろうし

お父さんとお母さんの方が話したいだろう

みんなが集まって私はすぐ帰った。

しばらくは色々検査とか大変みたい。

家に帰ってテレビをつけると

ちょうど優くんが映っていた。

連絡しようかな。

1ヶ月半連絡できなくて今更

なんて連絡すればいんだろ

目が覚めました、とか？

でも優からしたら

そんなのしったこっちゃないよな…

結局連絡したいのに連絡できずにいた。

・