chocolate Kiss (ページ2)

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"ピーンポーン"

1人じゃ広すぎるこのリビングに鳴り響く来客の合図

……時刻は、午前1時

「ナムジュナしかいないじゃん、」

絶対に、100%ナムジュナだけど、期待して落とされるのは嫌だ。

酔っ払いか不審者だと思ってドアスコープを覗く

「……」

手で隠されてる。ちょっと怖いかな

"ガチャっ"

「わっ！、」

「っ……」

「サプラーイズ」

「……」

「ハッピーバレンタイン？」

「……あぁ、もう」

肌寒い真冬の空の下に立つ彼

大柄であったかいその胸に飛び込む

「わっ、ちょ、A？」

「……」

「中入ろうよ」

「……」

「泣いてる……？」

「……まさか」

濡れた頬がバレないようにすぐに部屋に入る

後ろからはくすっとした笑い声

「嘘、下手くそすぎ」

「そっちだってサプライズ下手だし」

ソファの前まで来て振り返る

……まだメイクもワックスも落としてない彼

急いで来てくれたのかな。それともこれからまた撮影か

「ほら、泣いてる」

「……おかえり、ナムジュナ」

もう一度抱きついて、頬に小さく"ちゅっ"と音を立ててキスをする

「……珍しい。けど今日はチョコが欲しいかな」

「さいってい」

「嘘だよ、笑」

不器用で優しくて人気者な彼

「好きだよ。大好きだよA」

「……私も」

彼を想える時間が一番幸せだ。

black chocolate END