第十一話 外の世界 ページ13
チチチッ
チチチチッ
『んっ……』
朝、私は小鳥のエリィの鳴き声で
目を覚ましました。
私は起き上がり、ベットの上を四つん這いになって何とか床に降りられました。
ベットの横を見ると、空の色の様なとても真っ青なふわふわのワンピースと、白い薔薇の装飾がされているブーツが置かれていました。
『わぁっ…!!今日のお洋服も可愛いです!』
私はドレスのようなお洋服を毎日毎日楽しみにしていました。
今日の服は…鴎外様のご趣味の様な…?
鴎外様の選ぶお洋服は本当に童話に出てくる
お姫様のようで素敵です!
私はネグリジェを脱ごうとすると、
チチチチ
小鳥のエリィの鳴き声が聞こえました。
いつもの事なのに何故か今日はその鳴き声に惹かれて、私は裾から手を離し小走りでエリィの元へ向かいました。
『エリィ、どうかしましたか?』
鳥籠を開けるとエリィは待ち望んでいたかのように勢いよく飛び立ちました。
『!!
エリィ!どうしたのですか!?』
エリィはいつも私の指にちょこっと止まって大人しい小鳥なのに、勢いよく飛び立ったエリィに私は軽く驚きました。
エリィはそのまま部屋を1周し、ある位置に止まりました。
そこは、真っ黒なカーテン。
普段、カーテンは締め切っていて部屋には太陽の光一切差さないように閉めてあります。
でも、エリィが止まった先は微かに日が差していたのです。
『………。』
『エリィ、おいで。』
カタン
私はお利口に指に止まったエリィを優しく撫でます。
『エリィ、貴方は軽く5年も前の事を今でも覚えているのですね。』
私の言葉に返事をするかのように鳴くエリィ。
『あの方は何処へ行ってしまったのでしょうか。もう一度会うと、約束したのに。』
今日のようにあの日も微かに日が差していた。
私は初めて見る光に興味を引かれ、思わず近寄ったあの日。
窓が少し開いていて風を感じたあの日。
これが「外」だと初めて知ったあの日。
あの人が突然私の前に現れたあの日。
『もう一度、お会いしたいです。』
『─────。』
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リーフ - 超大好きです!!!更新頑張ってください!! (2022年1月12日 15時) (レス) @page13 id: 3fbf61d899 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこをちょこっと。 - 無理をせずに、更新頑張って下さい!之からも応援しています! (2020年10月4日 18時) (レス) id: 5c5bcab0c3 (このIDを非表示/違反報告)
Eva - 更新待ってます^^* (2019年7月20日 6時) (レス) id: a1f2b3bb01 (このIDを非表示/違反報告)
泉桃花クラスタ - 面白いお話をありがとうございます!細かい事を言わせていただくと、エピローグではなくてプロローグだと思うのですが…あえてそうしているなら気にしないでくださいね。これからも更新がんばってください! (2019年7月17日 14時) (レス) id: 1a879c682f (このIDを非表示/違反報告)
黒兎紅葉 - 面白いです!ヤンデレ最高! (2019年7月16日 23時) (レス) id: a3ddba6e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2019年6月23日 23時