ポートマフィアの溺愛少女は【何】も知らない【文豪ストレイドッグス】

第十話 恐れを抱いて ページ12

『ちゅーやー』


「何でしょうか、A様」


『今の声は、誰ですか?』


「…A様が知らなくても良いのですよ」


でも…


『折角…お友だちが出来ると思ったのに』


「っ…!!」


私は、鴎外様と中也と紅葉と龍と黒蜥蜴のみんな以外誰一人としてあった事がありません

だからお友だちは小鳥のエリィとエリスちゃんだけです

だけど、みんないつも私にあってくれる訳では無いです

ひとりぼっちは寂しいです

だから、お友だちが欲しいのですが…


「…A様」

『？なんですか、中也』

ギュッ

『ちゅーやー…?』

中也は突然私を抱きしめました

肩が震えて、抱きしめる力がとても強いです
…中也が怖がっています

中也が、怖がる言葉を言ってしまいました


「A様は、俺らじゃ満足が…出来ませんか?」

『そういうわけじゃ…』


「ならば」


そんな事はいわないでください

苦しくなります、悲しくなります

俺から離れないでください

貴方には俺たち以外の人間は必要ありません

今もこれからもずっと…ずっと


『…ちゅーやー…』

『そうですね、私はみんながいれば嬉しいです!ちゅーやーも紅葉も鴎外様も黒蜥蜴さんもみんなみんな!大好きです』


私が笑って言うと中也はほっと溜息をつき
頬にキスをしました。


「良かった…良かったです」


そう繰り返し


ｺﾝｺﾝｺﾝ


「中原幹部、お時間です。」

扉の向こうから、声がして中也が応えました

「分かった今行く

もう、護衛が代わったのか…」

名残惜しそうに私の髪を撫でると

「待っていてくださいね」

そう言って向こう側へ帰ってしまいました


『…また、1人ですか…?』


寂しいな









「ぜってぇ離さねぇ」

第十一話 外の世界→←第九話 嫌です!!!

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す