【文豪ストレイドッグス】捨てないで

太宰side ページ5

太宰side

私の唯一の妹A

実の兄妹でありながら私に全く似ていなくて、頑張って探したとしても髪色しか私色ではない。

彼女の性格も容姿も言動も、私は何一つ好きではなかった。


それこそ、全てが私に似ていたら流石に嫌だろうけどね。


私に対してビクビクして、私の事を兄と呼ばず
職名で呼ぶ。
君は私の妹だろうと言いかけるのをいつもいつも我慢している。


織田作に対して「作ちゃん」なんて呼んで、私には見せない笑顔で振り返ってもどかしくて苦しくて…………！

Aはそんな私に気づきもしないで、
ハキハキしなくてそんなAが大嫌いだった。

けれど、やはりそんな彼女を愛しいと思うのは兄としてか男としてかそれはもう分からない。




本当ならば、甘い言葉をかけて織田作がしていたように優しく抱き締めて笑いあうはずなんだ。

それが、何故こうなった。


今Aにそう言うことをやっているのは織田作で、私は2人の敵のように2人の前に立ちはだかる。

織田作のあの顔を見たかい。

傑作だ。

姫を庇う騎士のようじゃあないか。

そんなに私を悪者にしたいのかい？



2人が何時までもそんなのだから私はAに
『出来損ない』やら『役立たず』と言ってしまうんだろう




A、A、、


お前が嫌いだ。

だが…………………









愛してる─────

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