ep：21 ページ21
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「うわ…すごい人…」
「緊張してきたぁあ」
マイク先生のアナウンスと同時に入場すると、一気に巻き起こる歓声。
あまりの人数に、圧倒されそうになる。
全クラスが入場、選手宣誓、とどんどん近づいてくる予選。
「それじゃあ早速第一種目行きましょう！今年は……コレ！」
ミッドナイト先生が指したモニターに「障害物競走」の文字が映し出された。
約4キロのコースを、生徒それぞれが自由に個性を使って走る。コースさえ守れば何をしたって構わない。
雄英らしさが爆発したような予選だ。
「(やっぱ不利だよなぁ…)」
「A」
「轟くん？」
不安に思っている最中、名前を呼ばれて振り向くと轟くんが私の耳に顔を近づけてきた。
「な、なに…？」
「スタート切ったら、俺について来い」
「え？」
「コース中、俺の隣から離れるな」
どういうことだろう、
詳しく聞こうとしたら「位置につけ」の合図が鳴ったから、よくわからないままとりあえず頷く。
すると轟くんは、私の手を引いてスタートラインの先頭に立った。
「スターーーート！」
みんなが一斉にスタートを切る。轟くんは私の手を左手で握りしめたまま走り出した。
すると轟くんは空いた右手で個性を放ち、後ろにいたライバルたちの足元を氷で固め、動けなくした。
「すっごい…」
「いや、結構かわされた。急ぐぞ」
轟君がさらにスピードを上げふ。
そして第二関門であるロボットも、凍らして楽々クリア。私もそれについて行った。
そう、ついて行っただけ。
「……綱渡り…？」
そして第三関門。
いくつもの岩のステージと、それらをつなぐ一本の綱。
「(落ちたら死ぬんじゃ…)」
「A、俺が凍らすから…」
轟くんが私に手を差し伸べてくれる。
私は一瞬、この手を取りかけた。
でも、ダメだ。
私は轟くんの手を受け取らず、目を見て言った。
「先に行って」
「…？」
「私、まだ何もしてない。だからこの先は私の力で進まなきゃいけない気がする」
「でも…」
「ありがとう、助かったよ」
「…そうか、わかった」
轟くんは頷くと、「頑張れ」と言ってくれた。私はせめてものお返しにと思って、彼の手を握り、個性を使った。
轟くんがなぜ私を助けたのかはわからないけど、この2週間といい今日といい、本当に彼にはお世話になった。
また今度お礼しないといけないな。
「(頑張らなきゃ)」
私は決意して、綱に足を乗せた。
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くるくる天パ(プロフ) - 続き気になります！！いつでも待ってます！ (2021年8月22日 16時) (
レス) id: a9d2b1df51 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - 続き気になるやつやー！続きお願いしまっす！！あと優しい相澤先生がヤバイ、、！ (2021年6月9日 17時) (レス) id: c9040eec38 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - とても面白かったです！続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます！ (2020年9月6日 22時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
ペンキ屋(プロフ) - 面白い！相澤先生の優しさが伝わってきます。続きがきになる…更新楽しみにしてます〜。 (2019年6月7日 1時) (レス) id: 6685446620 (このIDを非表示/違反報告)
三条つかさ(プロフ) - すっごく面白いです！文才があるのですごく読みやすいです！更新がんばってください！！気長に待ってます！ (2018年5月29日 9時) (レス) id: 7ed1c475b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷瀬 | 作成日時：2018年4月2日 10時
