ep：19 ページ19
.
「………」
「………」
「(気まずい…気まずすぎる……)」
先生に言われた通り、どうやら家が近所らしい轟くんと一緒に帰ってるんだけど。
案の定、沈黙の連続。この上なく気まずい。
何か話しかけないと。そう思い、頭の中で必死に話題を探す。
「………」
「……あ、あのさ！」
「なんだ」
「轟くんは体育祭に向けて、何かする？」
「基礎トレと、個性の強化」
「そっかぁ。そういえば、轟くんの個性って…」
「こっちで氷が出せて、こっちで炎が出せる」
右手と左手を交互に動かす轟くん。
それで髪色が白と赤なのかぁ、なんて感心する。
「個性2種盛りだね、お得だ」
「食いモンみてえだな」
私のバカな発言に轟くんが少し笑った。
轟くん、こう見えて意外と笑ってくれる。
「Aは何かあるのか？」
「私は相澤先生が用意してくれた私専用の特訓メニューを毎日やる！」
「そうか」
「うん」
「……」
ここで会話終了。
再び沈黙タイムがやって来てしまう。
でも、さっきみたいな気まずさはなくなっていた。
しばらく歩いたところで、目の前におっきな和風の家が現れた。
「ここ通るときいつも思うんだけど、この家すごいよね…」
「ここ、俺ん家だ」
「えっ、そうなの！？すご！」
「そうか？普通だろ」
「これ普通って……私の家なんて小さいマンションだよ。ほら、すぐそこにあるとこ」
「本当に近えな」
「だね」
今日はありがとう、また明日、そう言って私は轟くんに手を振った。
轟くんも手を振り返してくれたけど、彼が家に入る気配はない。
「どうしたの？入んないの？」
「心配だから、お前がマンション入るまで見てる」
「………そ、そっか、ありがとう」
急になんてこと言い出すんだこのイケメン。
照れた顔を隠しながら、私は早足で家に帰った。
.
それから体育祭までの2週間、私と轟くんは毎日一緒に帰った。
別に、学校の中でもよく喋るとか、そういうわけじゃない。ただ一緒に帰る、それだけ。
それだけだったけど、轟くんのことが少しわかって、クラスメイトと仲良くなれた気がして、嬉しかった。
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くるくる天パ(プロフ) - 続き気になります！！いつでも待ってます！ (2021年8月22日 16時) (
レス) id: a9d2b1df51 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - 続き気になるやつやー！続きお願いしまっす！！あと優しい相澤先生がヤバイ、、！ (2021年6月9日 17時) (レス) id: c9040eec38 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - とても面白かったです！続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます！ (2020年9月6日 22時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
ペンキ屋(プロフ) - 面白い！相澤先生の優しさが伝わってきます。続きがきになる…更新楽しみにしてます〜。 (2019年6月7日 1時) (レス) id: 6685446620 (このIDを非表示/違反報告)
三条つかさ(プロフ) - すっごく面白いです！文才があるのですごく読みやすいです！更新がんばってください！！気長に待ってます！ (2018年5月29日 9時) (レス) id: 7ed1c475b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷瀬 | 作成日時：2018年4月2日 10時
