秘めたるは高嶺の花【JW】～橙の事件簿～ (ページ16)

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「こんばんは。」

夕飯を食べ終えまったりしていると、インターフォンが鳴ることなく、
声を掛けられ、兄弟の警戒レベルが一気に上がったが、それをさしも気にせず、

「あ、いらっしゃい。悠悟さん。」

と淳太と叔父が目の前でハグ＆キス。

いや、うちの習慣ってことは親戚でもやるんだろうけど、なんか嫌。
グイっとシゲが淳太を引っ張り、引きはがす。

「も、シゲ、なに？」

それを見て、からリと笑う悠悟。

「あはは。初めまして。君たちの父親の弟の悠悟です。」

初めて見たおじさんは30代でも通用しそうな若々しいイケメンで、
確かにうちの家系って男前なんだなと実感する。

父親も中身はクズみたいだったが、顔だけは良かったからな。

そんなことを思っていると、悠悟さんがこちらを見て、話しかけてきた。

「照史君だね。今回の件は盗作した側が疑われるのが嫌で、先にリークしたらしい。
だが、こちらの中には日展の審査員がいてね。
その事情を別の週刊誌が反論として出してくれることになってる。
だから、君への批判はすぐに収まるだろう。」

「ほんまに？」

「マスコミ対策もこちらに任せてもらえればと思う。悪いようにはしないよ。」

「よかったな。照史。」
淳太君がふわりと笑って言う。

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