【天月】浮気しているのならば私も。【そらる】 (ページ4)

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私も。ページ4

「送っていこうか？」

私は何も考えずこんなことを口にしていた

『今日、そらるさんの家に泊まりたいです』

そらるさんは一瞬固まって「えっと…」と口ごもった

沈黙が続く

『あっすみません！大丈夫です！それではっ！』

その空気が苦しくなって逃げ出そうとした

「待って！」

そらるさんに腕をつかまれ前に進めなくなる

『あ、の…』
「…いいよ。おいで」

『え…？いいんですか？』

そらるさんは答えず私の手を引いて歩いた

ぼーっと俯き、手を引かれるままに歩いていたら、いつの間にかそらるさんの家についていた

「入って」
『おじゃまします…』

本日2回目のそらるさんの家。
なぜかわからないけどとても落ち着いた

今頃天月はあのかわいい女の子と遊んでいるのだろうか
私も天月みたいなことをしてるはずなのに
ものすごく胸が痛くなった

「なんで泣いてるの？…ほら、拭いて」

『え？私…泣いて…』

少し首を傾けながらそらるさんの手に握られたハンカチを貰うと目の周りを拭った

そらるさんは何も言わない

きっと私のことを気遣ってくれているのだと思う

『そらるさん、話、聞いてくれますか』

「もちろん」

私は全てを打ち明けた
天月が浮気していたこと
苦しくて泣きそうで
でも我慢していたことも

全部、全部、打ち明けた
そらるさんは黙って聞いてくれていた

話し終わるころには私の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた

「そっか…辛かったね」
『うぅ…ひっぐ…』

「ごめんね、早く気づいてあげられなくて…」

そらるさんはなぜか反省したように俯いた

そらるさんは悪くない
そらるさんはいい人だから
そらるさんは優しすぎるんだ
そらるさんは自分は一切関係ないこともまるで自分のことのように
一緒に悩んでくれて
一緒に泣いてくれた
そらるさん、そらるさん。

私、あなたに恋してしまったみたいです