【実況者】私達のうるさい日常では色んなことが起こるのです。part2【湯豆腐】

不器用 ページ11

ｔ「えっ…？」



向こうから聞こえてきた彼女の暗い声に、びっくりする。

私は急いで言葉を撤回しようと思った。

確かに、よく考えてみると意味のないこの質問はそんな誤解を生んでしまうかもしれない。

だから。

私が口を開いたのより彼女が次の言葉を紡ぐ方が早かった。


貴「…確かにとわぽんには、いや、湯豆腐の皆やふぁんくんには迷惑かけてきた。だけどそれを今まで見逃してくれた。だから…甘えすぎちゃったのかなとも思う」

ｔ「やっ、あのっ、」

貴「やっぱり私は多大な迷惑をかけてきたんやな。皆、迷惑に思っとった」

ｔ「違います…Aさん…」

貴「ごめんなさい。いつも心配も迷惑もかけてた。これからは、迷惑かけないように努力する。だから＿」

ｔ「ちゃうんですってば！！」


つらつらと並べられていくAさんの自虐の言葉に、私は思わず画面の前で大声を出してしまう。

隣の部屋やし、牛沢さんがびっくりしているでしょうか。

そんなことも考えずに、私は黙り込んだ画面の奥に言葉を発した。


ｔ「ちゃいますよ…Aさん。私、単純に聞きたかっただけなんです…。どうして、って…」


何もかも、本当に不器用な私は、Aさんがそこまで考えるなんて思ってもいなかった。




貴「…ふふ」



だから、微かに聞こえてきた彼女の笑い声も、意味がわからなかった。



ｔ「え…」

貴「あーもう。とわぽん面白い。ごめん騙して」


彼女が言ったことも、よくわからなかった。

騙し、て…？

急変した彼女の態度。

今の言葉。

つまり、私は…騙されていた？


ｔ「…Aさん……？」

貴「わああああごめんごめん！！面白そうやと思うてつい！！」

ｔ「はぁ、もう…。焦ったやないですか。私の不器用なところ、わざわざ利用しないでくださいよ」


Aさんに騙されるなんて、全く。屈辱以外の何物でもない。

なんて思いつつも、心のどこかでは安心していた。


貴「いやいや、とわぽんは不器用やからそこまで考えとらんことは最初から分かっとったよ」

ｔ「ったくもう…。真面目に答えてください」

貴「分かったよー」


でもなんか、妙な緊張感は解けた気がする。

やっぱりAさんがいないと、だめですわ…。


貴「でもとわこ、やっぱり勘違いしてるよ」

ｔ「…そうですか？」

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