【実況者】私達のうるさい日常では色んなことが起こるのです。【湯豆腐】 (ページ26)

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あの2人が？ページ26

貴「うんうん、だいぶ良くなったな」

ｔ「…ギターって難しいですね」

あれからずっと彼のギター練習に付き合い、時刻はすっかり20時。

とわぽんのギターも着々と上手くなっていってるので、このまま練習していればほぼ走ることがなくなるだろう。

貴「んじゃ、夕飯作るから食べてき！」

ｔ「えっ、そ、そんな、惡いですよ！」

貴「ええの。どうせ自分のは作らんといけんし、ついでや！」

ｔ「…なら、ええんですけど…」

断わろうと一度立たせた足を、また座らせて「ありがとうございます」と小さく呟くとわぽん。

意外と謙虚なんだよな、こいつ。牛沢だったら逆に催促してくると思うし。

…にしても、今日のとわぽんは何かおかしい。

あまりに口数が少なすぎるし、行動がぎこちない。テレビでもつけて待っていればいいのに、練習を続けている。

貴「…ん。できたよ」

ｔ「あ…、ありがとうございます」

机に皿を置くと、彼はギターをしまって机に向き合った。

貴「…ところでさ、」

「いただきます」と言って箸を持ち食べ始める私達だったが、やっぱり気になることがあるので、聞いておこうと、とわぽんの方を向いた。

するととわぽんも、視線を私に向ける。

貴「なんで、私やったん？」

ｔ「…何がですか」

貴「ギターの練習。いつもならふぁんくんとかゆげぽに頼んどるんやないの？」

ｔ「……」

黙り込むとわぽん。私は彼の口が開くのを待っていた。

ｔ「…湯毛さんは、仕事です。ふぁんきぃは…、」

そしてそこで、言葉を詰まらせる。

言いにくそうに、言いたくなさそうに顔を背ける。

ｔ「ふぁんきぃとは…、喧嘩、です」

貴「…はぁ！？」

そして発せられた言葉に、疑問を持った。

喧嘩？あの二人が？そんな、有り得ない。

あんなに仲良いのに喧嘩なんて、そんなのあると思っていなかった。

貴「…ったく。なんでよ？」

ｔ「…あの人、絶対無理なこととか、分からん単語ばっか言ってきて…、」

そして、「そんなん、まだ初心者の私にできんし、理解もできませんよ！私のことも考えてくださいっ！」と言ってふぁんくんの家を出てきてしまったらしい。

ｔ「…でも、あの時私、できひん自分に苛々しとって…、せやから余計にムカついてしもうたんです。…今、落ち着いて考えると私が惡かったと思います…。でも…、」

そしてまた、言葉を詰まらせる。

意外と真面目な話で、びっくりした。