【実況者】私達のうるさい日常では色んなことが起こるのです。【湯豆腐】 (ページ23)

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円満御夫婦ページ23

貴「…あれ？」

「…え？」

ある日の昼下がり。

私は珍しく服を買いに近くのデパートっていうか何て言うのあの食事とか服とか色々買える所に来てました。

いつもの服屋さんで何かいい服はないかと探している時、見知った顔の人が一人。

だけど実況者とかじゃあない。きれいな女性。私はこの人を知っている。いつもどこかで見ている…。

貴「…あ、」

「…？」

貴「フルコンの…奥さん？」

「ふぇっ？あ、えっと…」

一か八かで聞いてみると、私より背の低い彼女は驚いた顔をして私を見つめた。

これ、間違ってたらどうしよう。

「…暁歌さん、でしたっけ…？」

貴「あ、そうです！本名はAと申します」

「あぁっ、いつも夫がお世話になっとります…」

でも、そんな考えは杞憂だったようだ。

私がちょこっと軽く頭を下げると、彼女は違って深々と頭を下げた。

いや、それにしてもこんな所で会うなんて。びっくりだよ。

貴「こちらこそですよー。あ、もしかしてフルコンと来てる感じですか？」

「そ、そうなんです。その辺にいると思うんですけど…」

貴「え？あ、いた」

フ「あれ？Aおる！何しとん！」

貴「いや、偶然奥さんと会っちゃって」

噂をすれば何とやら。そんな感じで颯爽と登場したフルコンに一切の事情を説明する。

フルコンはふむふむと頷くと、すぐに奥さんの方を見て口を開いた。

フ「服、何かええのあったん？」

「うーん…。今日は、いいかな」

フ「せやったら、3人で昼飯食べに行かへん？Aもまだやろ？」

貴「え！まだやけど、ええのん？」

フ「ええやろ！Aのことちゃんと紹介しとらんし…」

貴「で、でも…」

「私はええよ。夫と仲ようしてくれる人のことはちゃんと知っておきたいし」

貴「いいんですかァ！？」

え、なんか私さっさと話して邪魔にならないように退散しようと思うとったんやけど、まさかこんなことになるとは。

なんか、邪魔になりそうで気がひけるなぁ…。

と思いつつも、フルコンのごり押しで結局一緒に食べることになるのでした。