Noside ページ40
。
三途はぽかんと女を見やる。
椅子にかけられた白い太腿からホルスターが覗いている。
あァそんなところに銃を隠していたのか。あんな柔和な目をして微笑みながら、この女は。
目線を真っ直ぐ前に向けたまま、鼠が静かに言う。
「……三途さん、どうされますか」
「ンー、そォだな………」
もはや猫を被る必要はなかった。
ポケットからひとつ錠剤を取り出し、口に放り込む。
廊下からいくつもの足音が近づいてくるのが聞こえる。
足元に転がるウエイターといい、この店は初めから相手の男の手の内だったのだろう。
それなら。
三途はジャケットの下から拳銃を抜くと、目の前で震える男の額を撃ち抜いた。
「全員殺せ」
「了解」
部屋に雪崩れ込んでくる男達に続けて銃口を向け、引き金をひく。
破裂音と火薬の匂い。返り血が三途の頬を汚す。
「おい弾ァ！」
叫ぶのとほぼ同時に投げて寄越されるのをキャッチしてテーブルの影に屈み、素早くリロードする。
その間も銃声は止まない。
視線をやると、鼠が同じように返り血を浴びながら三途と同じ型の拳銃を連射していた。
凍るような無表情、先程までの清楚な女の面影はどこにもない。
切り傷のできた首と左手を庇いながらも白い指は躊躇うことなく引き金をひく。
三途は腹の底からざわつく興奮が駆け上がってくるのを感じた。
抑えられず翡翠の瞳を細める。
「オイドブネズミ、テメェやっぱ死なせるのはもったいねェわ！！」
「は？死にませんけど。三途さんこそ殺されないでくださいよ、ココさんに怒られちゃいます」
言い返される冷えた声にもぞくぞくと高揚が走る。
口元の傷を思いきり歪めて嗤いながら、三途が最後の一人にヘッドショットを決めた。
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 761人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆどうふまる(プロフ) - むーこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!続きがなかなか思いつかずお待たせしてしまっております……!!主人公がちゃんと働いてくれるのをお待ちくださいませ(T^T) (12月19日 0時) (
レス) id: b99f852905 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - すっごい面白いです！頭がきれて運動神経がいい女の子、最高です！春千夜との絡みが好きなので増やしていただけたら、、、、更新気長に待ってます！素敵な作品を本当にありがとうございます！ (12月18日 16時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ゆどうふまる(プロフ) - ゆうなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜!!とっても励みになります(´˘`＊)続きの展開も良かったら楽しみにしていてください!! (2022年11月11日 17時) (レス) id: 3d84d1a912 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 物凄く面白いです！！！！次の更新楽しみにしてます！！ (2022年11月8日 11時) (レス) @page44 id: 23495dfa07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆどうふまる(プロフ) - Riiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜!!(*^^*)つぎのお話の構想も練ってます!!がんばります〜!! (2022年11月7日 18時) (レス) id: 3d84d1a912 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆどうふまる | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/39189556
作成日時：2022年9月24日 0時
