Ryota's twin sister ☆ 2 (ページ16)

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広臣に連れられて玲於と未玖と別れたA。

2人はエレベーターに乗り込んだ。

臣｢...今、何考えてる？｣

Aは何やら思いつめた表情を浮かべている。

『...ああいうシチュエーションになった時

どうすればいいか分からなくて。』

臣｢どーゆう意味？｣

『いい雰囲気を邪魔しちゃった時です。

悪いことしちゃったと思って...』

そう言うとAは深いため息をついた。

臣｢未玖ちゃんと玲於は幼なじみだよ。｣

『...私、分かっちゃいました。』

臣｢何を？｣

『あれ、両想いですよ！』

自信満々に言うA。

余りにも的外れな発言に

広臣は思わず吹き出して笑った。

『何で笑うんですか。』

臣｢やばい、Aちゃん面白すぎるから(笑)｣

『...なんかムカつくんですけど。』

笑いを堪えきれない広臣とは対照的に

Aはムッとした表情で冷たく言い放ち

広臣からそっぽを向いた。

しかし、そんなAの振る舞いも

Aを溺愛している広臣からすると

可愛い要素でしかない。

広臣は2人きりのエレベーター内で

Aを後ろから包み込むように

ふわっと優しく抱きしめた。

広臣の急なバックハグに

Aの身体はビクッと反応した。

臣｢本当可愛いすぎ。｣

『...今面白すぎって言ってたじゃないですか。』

臣｢どっちも。可愛いし面白い。｣

『なんですかそれ(笑)』

エレベーター内の二人を包む空気は優しいものだった。

エレベーターが一階に到着すると

広臣はAを抱きしめていた腕を解いた。

そしてAの持っていたマフラーを手に取り

Aの首に綺麗に巻いてあげた。

臣｢怪我、早く治せよ。｣

『ありがとうございます。安静にしてます。』

臣｢...よし。じゃあまた。｣

マフラーを巻き終えると

Aの頭をポンポンと撫で

Aは目を細めて微笑んだ。

帰って行くAの後ろ姿を見ながら

広臣は思い返していた。

玲於と未玖の2人の姿を見て

どこか寂しげな表情を見せたAを。

臣｢...玲於、好きな女にあんな顔させたらダメだろ。｣

そう呟いた広臣の表情は曇っていた。