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あったかもしれない話 ページ34

「望舒旅館、すごいいい眺めだったな!スメールの雨林と違って、辺りが一望できて。空気も澄んでるし!」

「しかし、なぜオーナーは朝早く出ることを止めたのだろうか…」

「旅館だし、朝早く出る人なんて僕ら以外にもたくさんいそうなのにね」

望舒旅館には、スメールから来た3人の他に同じ時間に出発する人はいないようだった。

なぜならその前日、オーナーに朝太陽が上り切る前に旅館からは出ない方がいい、と忠告を受けたからだった。

「でもこの時間に出ないと今日中にモンドに着かないぞ?」

「魔物が出ても、セノが全部倒してくれるさ。
なんせ冒険者だからね…」

「ああ、任せてくれ」

苦笑交じりの言葉に元気よく答える声が響いた。

「でも魔物なんて全然いな」

「待て、誰かに着けられてる」

「えぇ?…」

いきなりのことにコレイは一瞬大声を出しかけたが、すぐに口を抑えて黙った。

「どこに居るの?」

ちらっと辺りを見回すが、ここはスメールと違い視界は開けている。

隠れる場所はほとんど見当たらなかった。

「…ほんとに着けられてるの?」

ティナリは思わず疑問の声をあげた。

「目線を感じたんだが…」

「そう、でも確かにこれだけ歩いてて魔物が1体もいないなんておかしい気がする…」

ふと、少し遠くから戦闘音のような音が聞こえた。

「誰かが戦ってるのかも、行ってみよう!」

向かってみるも人陰はおろか、魔物の影すらなかった。

3人は怪訝な顔を見合わせた。

「ここら辺で音したのに…」

思わず声をもらすと、小さい、雷のような音がした。

「…朝早く、出歩くなと言われなかったか?」

いつの間にか下を向いていた顔をあげた。

コレイと同じ背くらいの少年が、腕を組んで立っていた。

「…旅人の友達の…」

「知り合いか?」

セノの言葉にコレイとティナリがなんとなく頷く。

「そういえば旅人が、星は璃月を守ってるって言ってたな…」

「望舒旅館から来たのだろう?」

コレイの言葉を無視して再び問を重ねる。

「でも、今日中にモンドに着くにはもう出ないと行けなかったんだ」

申し訳無さそうにティナリが弁明する。

「そうか、まあいい。この時間ならもう妖魔は出ないだろう」

「え、ああ、ありがとう」

3人を一瞥し、

「帰りは太陽が出てる内にここを通れ」

一言忠告すると、ここに現れたときと同じような音を鳴らして消えた。

「…行くか」

「…うん、あーびっくりした」

3人は再び、ウィンドブルーム祭へと歩き出した。

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てら(プロフ) - ページ1の1行目、タルタリ"ア"ではなくタルタリ"ヤ"です…細かいことですみません🙇‍♀️ (7月2日 21時) (レス) @page1 id: 372b4e8b3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆっく | 作成日時:2023年3月24日 22時

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