天使様 ページ8
その夜…。
ドンヘは久しぶりにマネージャーの目を盗んでサキの家に帰った。
子供部屋の中の小さなベッド。
ユイの横に添うように寝転がって絵本を広げていた。
毎日、毎日。
天使は王子様の笑顔と優しさを見下ろしていました。
寂しそうな顔、悲しそうな顔をする度に、ほんの少しだけ力を使いました。
王子様の幸せな顔が見れればそれで良かったはずでした。
ところが…
天使はいつの間にか、王子様の傍にいたいと思うようになってしまったのです。
王子様に会いたい…
ほんの少しでいいから…
あの笑顔をもっと近くで…
胸に小さな想いを抱えて、天使は大きな羽を隠すと地上に降り立ちました。
ﾕｲ「ドンヘ。」
DH「ん？」
小さな声をかけられて、本を閉じるとベッドに肘をついてユイを見下ろした。
ﾕｲ「てんしさまって、ほんとにいるとおもう？」
DH「どうかなぁ。」
ﾕｲ「ユイね、おねつでたとき、てんしさまみたよ！」
DH「え？」
ﾕｲ「くるしかったユイのおでこに、おててのせてくれたの。」
ドンヘは少し驚いた顔をした。
ﾕｲ「そしたらね、ユイつぎのひ、おねつさがってたんだよ。」
普通なら笑って流してしまうような話。
そう言えば…
あの時も…
ふと思い出してしまうのは、保育園での事。
あの目を疑ってしまうような周囲の時間が止まったような時の事。
ﾕｲ「てんしさま、またユイにあいにきてくれないかなぁ。」
ドンヘは微笑む。
DH「きっと来てくれるよ。ユイはいい子だから。」
ﾕｲ「おうじさまにあえるといいね。てんしさま。」
DH「そうだね。さ、もう電気消すよ。」
ﾕｲ「うん。おやすみ、ドンヘ。」
DH「おやすみ。」
ドンヘは額に小さなキスを落とす。
ゆっくり閉じて行く瞼を見届けて部屋の明かりを消した。
天使様…
か…
リビングから綺麗な夜景を眺めていたドンヘ。
ｻｷ「何考えてるの？」
そっと隣に立つサキ。
DH「天使ってホントにいるのかなぁって。」
ｻｷ「え？」
DH「いや…ユイがさ。そしたら俺もホントにいるのかなって思えてきて。」
その言葉にクスッと笑う。
ｻｷ「いるかもしれないわよ？」
DH「からかってるだろ…？」
ムッとした顔を向ける。
ｻｷ「そんな事ないわ。」
DH「絶対からかってる…。」
ｻｷ「いいと思うわよ。大人だって…そういう夢を見ても。」
サキはドンヘの腰に腕を回すと、身体を寄りかからせた。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
