抱きしめる腕 ページ49
小柄な身体を細い腕で抱きしめるようにうずくまるA。
EH「A…。」
顔を歪めるウニョクがAに近づこうとする。
すると…。
「あぁぁぁっ！！」
叫ぶような声の後、Aの背中から大きな真っ白い羽根が現れた。
サキもウニョクも目を疑いたくなるような光景に瞬きも出来ない。
窓から差し込む日差しでほんのり七色に輝いている羽根は、ひとつずつ抜け落ちて行く。
DH「羽根が…。」
お話の中の天使はね…
王子様への叶わぬ想いに身を焼いて…
美しい羽根も…
天使の力も…
失ってしまうの…
嫉妬と愛憎に胸をかきむしって…
力尽きてしまう…
あれは…
悲しいお話なのよ…
ドンヘはサキの言葉を頭に巡らせていた。
美しい羽根も…
天使の力も失って…
Aは…
俺への想いに身を焼いてるって言うのか…？
苦しんでいるAを見下ろして、どうしてあげればいいか分からないドンヘ。
隣に立っていたウニョクはギュッと拳を握りしめた。
やっぱりキミは…
ただの人では無かったんだね…
いつもドンヘの傍で…
そうやって自分で自分を抱きしめながら…
見守っていたんだ…
苦しんでも…
苦しんでも…
“傍にはいられない…”
結ばれる事はないと…
分かっていたのに…
ウニョクはAに近づく。
床に膝をつくと、うめいているAを強く抱きしめた。
EH「A…大丈夫だよ…。」
一人じゃない…
EH「一人じゃないよ…。」
小さな囁きが背中の痛みを少しだけ和らげる気がした。
顔を持ち上げるAを優しく微笑むウニョクが見つめていた。
EH「キミを一人になんかしないから…もう少し休むんだ…。ね…？」
目尻に残した小さな涙が頬を伝う。
フッと力が抜けてウニョクの腕にもたれてるAは瞼を落とした。
DH「…ヒョク…。」
大きな羽根は小さな身体の中に消える。
床には抜け落ちた羽根が残されていた。
そっと抱き上げる身体。
EH「俺…Aを連れて帰るよ…。」
DH「…え…。」
EH「取り乱してたし…少し落ち着ける場所の方が…いいだろ…。」
DH「でも…。」
EH「今のAには…色々辛い事が多いと思うから…。」
そう言ってサキを見る。
サキは戸惑った顔で床に落ちた羽根をひとつ拾い上げていた。
EH「それじゃ…一度帰ってから…仕事行くから…。」
ウニョクは口元を緩めると、Aを連れてドンヘの部屋を出て行った。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
