夢か幻か ページ46
勢いよく屋上の扉を開ける。
広い屋上を進みながら辺りを見回した。
羽根をしまって屋上に降り立つAは崩れ落ちる。
ドンヘは屋上の隅に手をついているAを見つけた。
DH「A！」
聞いた声が名前を呼んでハッとして顔を上げる。
そこには肩で息をするドンヘが立っていた。
王子…様…
足を踏ん張って立ちあがる。
ドンヘが近づく度に端に後ずさって行くA。
DH「危ないから…こっちへ…。」
手を差しだしてAを呼ぶドンヘ。
背中に強い痛みが募って顔を歪めると、ふらついた拍子に足を踏み外す。
DH「A！！」
駆け寄るドンヘは屋上から落ちて行くAを掴もうと腕を伸ばした。
大きな手が細い腕を掴むが、ドンヘもAと共に落ちた。
凄い力で地面に引っ張られながらもAの腕を引きあげると、ドンヘは細い身体をしっかり抱きしめる。
王子様は、天使を抱きしめて目を閉じました。
このまま落ちてしまったら…
王子様は…
王子様の大切な人への確かな嫉妬心。
それでも、天使は王子様を守りたいと願います。
細い腕でドンヘの身体を抱きしめ返すと服をギュッと握りしめる。
「必ず…守ります…。」
消えそうな声がドンヘの耳に届くと、Aは背中の大きな羽根を目いっぱい広げた。
なんだ…？
急に身体が軽く…
俺…
もう落ちたのか…？
重力の抵抗が一気に軽くなると、ドンヘは瞼を恐る恐る開く。
顔をゆっくり上げるドンヘの瞳に飛び込んできたのは、真っ白な大きな羽根を広げたA。
細い腕でしっかりとドンヘを抱きしめていた。
エレベーターよりゆっくり、景色が少しずつ変わって行く。
信じられない光景に瞬きも忘れてしまう。
これは…
夢なのか…？
幻を見てるのか…？
見上げるAの顔。
Aは視線を落とす。
つま先がそっと地面につくと、静かに地上に降り立ったドンヘ。
Aもゆっくりと地面に足をついた。
DH「A……キミは……。」
本当に…
天使なのか…？
どう言葉を繋げていいのか分からなくて、続きに詰まった。
そっと細い腕がドンヘの身体から離れて行く。
大きな羽根が小さな身体の中に吸い込まれるように消えると、ガクッとAの身体が落ちた。
DH「A！？」
慌てて抱きとめる。
ドンヘの腕にもたれる細い身体。
DH「A！A！？」
抱きかかえられてドンヘの部屋に連れてこられたA。
小柄な体が焼けるように熱かった。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
