大きな月 ページ40
天界に戻って来た天使は女神様の部屋に呼ばれました。
女神様は険しい顔でした。
あなたは…
自分がどんな大罪をおかしたのか分かっていますか…？
もし…
あの人間があそこで死ぬ運命だったのなら…
あなたは…
あの人間の運命も…
それを取り囲む周りの運命までも…
変えてしまった事になるのですよ…？
それは…
天使の役目である…
正しく世界が巡るように時の流れを守る仕事に反しています…
しかもそれは…
やむを得ない事情ではなく…
抱いてはならぬ人間への愛情が故…
他の天使達に示しがつきません…
天使はただ黙って女神様のお叱りを受けました。
あなたを…
天界より追放処分とします…
厳しい処分でした。
でも、正当な理由でした。
天使は今後一切天界に入る事を禁じられ、人間界に落とされたのです。
ウニョクが帰って一人きりのICU。
ベッドに横になって薄暗い天井を見上げていた。
“ドンヘを助けてくれたのはAだよ…”
真っ白な世界…
夢の中のような世界…
温かくて…
優しい光に連れ戻された…
“みんな待っています…”
声が聞こえて…
目を覚ました…
あれは…
キミだったのか…？
A…
ドンヘは小さなため息をつく。
帰る間際ウニョクはドンヘに言った。
EH「ドンヘ…Aの事どう思ってるの…？」
DH「え…。」
EH「言ってたよね…。Aが突然いなくなった時も…サキさんが来てたって…。」
DH「…ん…。」
EH「なんて言うか…ドンヘを助けに来たのに……Aがあんまり可愛そうで…。」
キュッと唇をかむウニョク。
EH「ごめん…。嬉しいんだよ。ドンヘが無事で。でも…。」
ウニョクはリュックの紐を握りしめた。
EH「次は…もう少しAの事も気にしてあげて欲しい…。」
DH「……ん……。」
EH「ホ…ホント…ごめん。変な事言って…。じゃあ…帰るね。おやすみ…。」
DH「おやすみ…。」
きっと許せなかったんだ…
ヒョクは…
サキやユイばかり構っていた事が…
あの日もそうだった…
俺はサキに弁解する事ばかり考えて…
Aの事を少しも気にしてやらなかった…
Aはいつの間にかいなくなって…
Aの事を口にしていたのに…
同じ事を繰り返した…
身体を起こしてベッドを出る。
ICUのカーテンをそっと指でめくって空を見上げる。
広がる夜の空には大きな月。
Aがいなくなった時と同じくらい、大きな大きな月が出ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
