後悔 ページ30
天使は後悔しました。
痛む胸を我慢しながら、王子様の笑顔を偲ぶ日々の方が楽だったと。
たまった涙が頬にこぼれそうで、天使は水面の中に手を突っ込みました。
王子様の優しい笑顔が注がれてるのは自分ではない。
その事がたまらなく辛かったのです。
足を揺らしながら絵本を開くユイ。
ドンヘは傍らに立ってズボンのポケットに手を突っ込みながらサキを待っていた。
ユイの手に握られた羽根を眺める。
A…
元気にしてるだろうか…
ちゃんと家に帰れたんだろうか…
ふとそんな事を思い出してしまう。
すると。
ドンヘの目の前を真っ白いワンピースの背中まで伸びた長い髪の女性が通り過ぎた。
DH「A…？」
背格好も良く似た感じ。
小柄で細身。
長い髪が歩く度に小さく揺れていた。
DH「ユイ、ここにいて。」
ﾕｲ「うん？」
ユイに小さな声をかけると、ドンヘは真っ白いワンピースの女性を追いかける。
腕を伸ばして肩を掴んだ。
DH「A！？」
驚いて振り返るその顔は、Aとは全くの別人。
DH「あ…すいません…。人違いでした…。」
帽子のツバを引っ張って頭を下げる。
肩を掴まれた女性はそれがドンヘだと気づいて嬉しそうな顔をしていた。
遠い所に帰ったんだもんな…
こんな場所に居る訳ないか…
そう思ったら自然とため息が出た。
ドンヘの背中を見ていたユイ。
その視界をピンク色の可愛い風船がいくつか飛んで行った。
ﾕｲ「あっ！ふうせん！！」
本を閉じて胸に抱えると、ドンヘから貰った羽根をスカートのポケットに押し込んで石段から立ち上がる。
風船を追いかけたくなったユイは、赤信号で車がたくさん行き交う車道めがけて走りだした。
波打つ水面は王子様の姿を歪めました。
ギュッと閉じた天使の瞳からこぼれそうな涙を指で払いました。
こんなに王子様の事を好きなのに…
この想いは届く事はないんだ…
天使は目を閉じて肩を落とすと深いため息をつきました。
ユイの元へ戻ろうとするドンヘ。
石段から降りたユイが目の前を車道に向かって横切った。
見上げている空にはピンク色の風船。
ハッとして顔色を変える。
DH「ユイ！！！！」
大声を出してドンヘはユイを追いかけて走りだした。
次の瞬間。
大通りには、急ブレーキの直後、けたたましいクラクションの音が鳴り続けた。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
