宝物 ページ27
恋…？
天使には聞きなれない響きでした。
仲間達は言いました。
天界に帰って来られて良かった…
と…。
天使は首をかしげます。
女神様が見ていてくださらなかったら…
人間に心を奪われて…
羽根を無くし…
命までも失ってしまう所だった…
天使はそっと胸に手を当てました。
身体から手を伝って分かる程強く心臓が打ちつけているのを感じます。
これが…
恋…？
こんなに苦しくて…
辛いのが恋…？
王子様も…
大切な人を想って…
いつもこんな苦しくて辛い想いをしているの…？
人間は…
みんなこんな想いをしているの…？
天界にはとても美しい花畑がありました。
天使は毎日そこに座って膝を抱えました。
忘れようとしても…
毎日想ってしまうのです…
王子様に会いたい…
王子様の所へ行きたい…
想いが募れば募る程、胸の痛みはますます強くなっていきました。
DH「なぁ…ユイ…。」
ﾕｲ「なぁに？」
DH「前に聞いただろ？天使様はいると思うかって。」
ﾕｲ「うん。」
きょとんとした眼差しがドンヘを見る。
DH「俺はいると思うよ。天使様。」
ﾕｲ「ほんと！？」
DH「うん。きっといる。ユイをいつも守ってくれてると思う。」
とっても嬉しそうな顔で笑うユイ。
ドンヘは軽く頭を撫でると本を閉じた。
DH「さ、今日はもうおしまい。」
ﾕｲ「うん。おやすみなさい。」
DH「おやすみ。」
額に小さなキスを落とすと、瞼が落ちるのを見届けて明かりを消した。
リビングに戻って来たドンヘ。
サキはコーヒーを入れてくれた。
DH「ありがと。」
ｻｷ「ユイが喜んでる。」
DH「そうか？」
ｻｷ「ドンヘが朝いないと、ユイとても寂しそうにするの。」
DH「ごめん…。」
ｻｷ「ううん。もういいのよ。」
抱き寄せる肩。
カップをテーブルに乗せた。
DH「サキ。」
ｻｷ「ん？」
DH「あの絵本。」
ｻｷ「天使様の絵本？」
DH「天使は最後どうなるんだ…？」
ｻｷ「え？」
ドンヘは苦笑いを見せた。
DH「いや…ちょっと気になってさ…。」
ｻｷ「それは、ユイと読んでのお楽しみ。」
DH「えぇ…。」
ｻｷ「ユイはね、お話の結末を言われるのが大嫌いなの。」
DH「だって何度も読んでるんだろ…？」
ｻｷ「あの子にとってあのお話は宝物なのよ。」
私が…
ユイが生まれた時に書いた本だから…
ドンヘはサキの言葉を聞いて小さく微笑んだ。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
