理由 ページ16
深夜12時過ぎ。
ドンヘの部屋の扉が音を立てて開いた。
DH「ただいま。」
玄関先で中に向かって声をかける。
宿舎を出てから今まで、返って来る事の無かった返事。
その夜は、リビングの扉が開くと小さな足音が駆け寄って
「お帰り…なさい…。」
と可愛い声が返って来た。
ドンヘは靴を脱いで上がり込むと、Aの頭をそっと撫でる。
DH「起きてたの？寝てても良かったのに。」
そう言って微笑む。
Aは少しだけ恥ずかしそうにはにかんだ。
DH「ご飯食べた？」
リビングへ戻りながらドンヘはAを振り返る。
小さく首を横に振った。
DH「え、食べて無いの？」
驚くドンヘにAは頷く。
DH「そっか。食べに行くって言ってもこの時間だからなぁ…コンビニでも行こうか。」
「…え？」
顔を持ちあげるAの小さな手が握られる。
DH「行こ。決まり。」
「あっ…。」
少し強引な腕がAを引っ張る。
近所のコンビニで二人分の夕飯を買うと、暗い夜道を並んで歩いた。
DH「ずっと家に？」
「…はい…。」
DH「退屈じゃなかった？」
「…はい…。」
DH「でかければいいんだよ？」
「…は…い。」
同じ返事を繰り返す。
マンションの手前でドンヘは足を止めてAに身体を向ける。
DH「A…。俺、付き合ってる人がいるんだ…。」
知っています…
ずっと…
あなたを見ていたから…
DH「その人に…暫くAをうちに泊める事を話したいんだけど…。」
言葉を選ぶように詰まる。
DH「家に帰れないような理由が…何かあるのか…？」
そう聞かれると俯いてしまう瞳。
ドンヘはAを見つめて返事を待ったが、顔を歪めているだけのAを見て小さくため息をついた。
DH「話せないような事情なの…？」
「ごめん…なさい…。」
DH「そっか…。」
困った顔で髪をかいた。
DH「分かった。もう聞かない。でも…話せるようになったら話してくれる？」
Aは小さく頷くと、ゆっくり顔を持ち上げてドンヘを見る。
DH「人には色々事情があるからな…。無理には聞かないよ。」
困った顔が笑顔になっていく。
繋がっている手を再び軽く引くと、歩き始めた。
王子様は天使の手を1度も離しませんでした。
その手の温かい事。
王子様の背中を見つめて天使は思うのです。
もし私が…
人間になれたら…
ずっと王子様とこうしていられるんだろうか…
と…。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
