部屋の鍵 ページ15
DH「ごめん。聞いちゃ…いけなかったかな…。」
Aはマグをテーブルに置いて小さく頭を下げた。
「もう…行きます…。」
DH「行きますって…遠くなんだろ…？」
やっと王子様の傍に来る事が出来た…
王子様と話をする事が出来た…
だけど…
本当の事を言う事は出来ないから…
もう行かなくちゃいけない…
Aは胸の前で合わせた手をギュッと握る。
DH「Aが嫌じゃなかったら、暫くうちにいてもいいよ。」
驚いた顔がすぐに持ち上がる。
DH「俺、仕事でいつも遅いから…一人にしちゃう事が多いと思うけど…。」
ヒョクの言う事が…
何となく理解出来たんだ…
悲しい顔をしたり…
無邪気な顔をしたり…
優しく微笑んだり…
他愛もない事だけど…
傍にいてくれると…
凄く落ち着くから…
どこの誰かも分からない人を…
部屋に置くなんて考えられないけど…
さよならって…
追いだせなかった…
追い出してしまいたくなかった…
DH「どう…？」
ドンヘは微笑んで首を傾けた。
Aはとても嬉しそうに微笑んで目を伏せる。
リビングの入り口に引っかけてある鍵を取って外す。
DH「部屋の鍵。渡しておくから。」
小さな手にそっと乗せられた鍵。
しっかり握りしめると、目を閉じて抱きしめるように胸に当てていた。
その日の午後。
EH「えっ！？A、ドンヘの部屋に住むの！？」
DH「声が大きいよ…。」
ウニョクの口を手で塞ぐドンヘ。
EH「どういう事よ…？」
DH「家遠いところだって言うしさ…なんか事情がありそうだったから…。」
EH「だからって…。」
DH「しょうがないだろ…。じゃあ、さよならって追い出せないよ…。」
顔を寄せて小さな声で話をする二人。
EH「サキさんが来たらどうするの…？」
DH「サキには今日にでも話すつもり…。」
EH「いい顔しないと思うよ…。」
大人で…
大抵の事は笑って許してくれるサキでも…
Aの事を話せばどういう反応をするか…
俺にも想像がついていた…
EH「暫く黙ってた方がいいんじゃないかな…。」
DH「でも…。」
EH「せめてAから少しでも事情を聞いてからじゃないと説明しようがないでしょ？」
ドンヘはため息をついて足を組む。
EH「俺は嬉しいけどね。」
DH「なんで？」
EH「だって、ドンヘのうちに行けばまたAに会えるじゃない。」
声のトーンを高くするウニョクは、ドンヘを見て嬉しそうに笑っていた。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
