王子様の部屋 ページ14
翌朝。
Aは暖かいベッドの中で目を覚ました。
ゆっくり身体を起こしてベッドを出ると、少しだけ開いている扉を軽く押した。
薄手のタオルケット一枚。
身体に引っかけてソファで眠っているドンヘ。
部屋の中を見回す。
綺麗に片付いたリビングに朝日が差し込んでいた。
天使はそれが王子様の部屋だとすぐに気づきました。
部屋の中には王子様の匂いがあふれていました。
スカートの裾を揺らしてソファに近づく。
スルッと落ちたタオルケット。
そっと床に膝をついて拾い上げると、ドンヘの体にかけ直す。
近くで見る王子様の寝顔はとても無邪気で、天使の胸をドキドキさせました。
手を伸ばすのも怖くて、触れたら消えてしまいそうな程でした。
DH「ん……。」
ソファが狭そうに寝がえりを打つドンヘ。
ゆっくり開かれる瞼。
ハッとして思わず立ち上がるA。
ドンヘはAをその視界に捉えると、寝ぼけた瞳のまま微笑む。
DH「…おはよ…。A…。」
寝起きの甘い声に、心臓をキュッと握られるような感覚。
DH「眠れた…？」
そう聞かれて小さく頷く。
DH「良かった…。」
身体を起こすドンヘは大きく身体を伸ばすとキッチンに向かう。
DH「コーヒー入れてあげるよ。」
大きなあくびをしながら戸棚からマグカップを2つ取り出す。
ポットを火にかけてインスタントの瓶の蓋を開けた。
小さなスプーンで2杯。
カップに入れる。
音を立ててお湯が沸いた事を知らせるポット。
マグの中でお湯が揺れるとビターな匂いが漂いだす。
ドンヘの背中をジッと見つめて立っていたA。
近づいてマグを差しだした。
DH「はい。」
両手でそっと受け取る。
経験した事のない茶色い飲み物を見下ろしていた。
軽く匂いをかいでゆっくり口を付ける。
「あつっ…。」
思った以上に熱かった事にビックリして、それでも一生懸命フーッと息を吹きかける。
ドンヘはその姿をソファに座って眺めてはクスッと笑った。
DH「送っていくよ。どの辺かな？」
「…え？」
DH「家。どの辺？」
天界です…
なんて言えるはずもない…
Aは戸惑った顔で小さく首を横に振った。
DH「え…家…無いの…？」
「遠い…所です…。」
DH「じゃあ…どうやって来たの…？」
戸惑った顔が困った顔になる。
マグを手にして俯いているA
ドンヘはマグをテーブルに置いて立ち上がると、Aの頭をポンポンと叩いた。
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ゆちょみん(プロフ) - 慧さん» ご無沙汰していました！遊びに来て頂いてありがとうございます！ご期待に添えるかどうか分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです^^ (2013年6月1日 0時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 新作おめでとうございます。今回も楽しませて頂きます！ (2013年5月31日 22時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - ミーキーさん» ありがとうございます！たくさん涙腺緩んでください！更新頑張ります！ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
ミーキー(プロフ) - もう、本当に泣きそうです。続きがすごく気になります^^更新頑張って下さい♪ (2013年5月30日 22時) (携帯から) (レス) id: 3a63ee8a7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！お読み頂いてホントに嬉しいです^^ もう少し続きますので、どうぞ最後までお付き合いください♪ (2013年5月30日 22時) (レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2013年5月27日 19時
